リオ過去編-08 神からスカウトされたぞー!?

「リオくん···。リオくん。起きてくださいな」

 

「ん~~···。あと5時間〜···。ムニャムニャ···」

 

「···おい、寝すぎだろ?起きんかーい!!」

 

「うわぁー!?な、何するだぁー!?」

 

「ふぅ~、やっとこさ起きたな。これで面接ができるな」

 

「···えっ?ここはどこだー!?お前は誰だーー!?」

 

 

 叩き起こされたと思ったら見たことのない場所にいたぞー!?どうなってんだー!?

 

 周りは全部白くて、立派なソファとテーブル、白っぽい箱?のようなもの、あとはなにかでっかい絵と机の上に不思議な物体、座り心地良さそうなイスがあったぞー。オレはいつの間にかソファに座らされていたぞー。

 

 

「ここは私のゲーム部屋・・・・・···、じゃなかった!神の執務ゲーム室だ!私は神だよ。ちょっとお願いがあってキミを呼んだんだけど、時間あるかな?」

 

「時間あるも何も、どういう事だー!?しかも!どうやって帰れるんだー!?」

 

「それについては心配ないよ。面接が終わったらちゃんとキミの家のベッドに送るからさ!」

 

「それだと面接終わらないと帰れないって事だろー!?いや、これは拉致・・だぞー!!誘拐だぞー!?」

 

「あぁ~、そうとも言うね。···某旅芸人さんと同じ事言うなんて、キミは賢いなぁ~!ははは!」

 

「ははは!じゃねーー!いったいオレに何の用だー!?」

 

「用って、面接だよ?」

 

「だから、何の面接だー!?」

 

「次の整調者ピースメーカーの適合者の面接だよ」

 

「···はあっ!?整調者ピースメーカーだってー!?」

 

「そうだよ~。じゃあ、面接を始めるね~」

 

「お、おう。なんだかよくわからんが、答えないと帰れそうにないからなー。さっさと始めてくれー」

 

「では、整調者ピースメーカーに応募した理由をお聞かせ願えますか?」

 

「···は?···応募?そんなのしてないぞー?何言ってんだー?」

 

「あれ?募集かけて履歴書が届いたんだけど···。『白銀竜のリオレウル・ハンティング』くんで間違いないよね?」

 

「なんで真名を知ってるんだー!?」

 

「いや、履歴書にそう書いてるからだけど?」

 

「ってか、履歴書ってなんのことだー!?さっぱりわからんぞー!?」

 

 

 コイツ、本当に神なのかー!?偉そうかと思ってたらこんなフザケたヤツだったのかー!?

 

 そう思ってると、いきなりもう一人現れたんだぞー。

 

 

「エレくーん!それ、履歴書じゃなくて推薦状だよー!」

 

「おや?ナビくん。推薦状だって?あっ!?ホントだね~!履歴書の書式だったからそう思い込んでたよ。ごめんごめん!」

 

「もうー!結構ドジっ子なんだから〜!」

 

「ありがとう!じゃあ、気を取り直して···。フムフム。リオくんはあのコバタ氏の唯一の弟子で、魔法はエセムさん仕込みかぁ~。これは有能だね!」

 

「推薦って、誰がしたんだー?」

 

「コバタ氏だよ。あの世で『推薦できる人教えて〜!』って募集かけたら送ってきたようだね」

 

「師匠ー!?死んでからもおちょくってきたかー!?」

 

「ははは!仲良かったんだね~。さて、ここからは真剣な話なんだけどね?」

 

「今までは遊びだったのかー!?フザケてんなー!」

 

「まぁ、緊張を取るためって思ってね。まずは整調者ピースメーカーなんだけど、世界に危機が起こり始めていてね。どうも異世界から大魔王がやって来たんだよ。そいつを退治して欲しいんだ」

 

「···大魔王、だってー!?」

 

「そう。大魔王ムーオ。レオナード王国の魔法研究所で3年前に不幸な事故があってね。大量の黒魔力が発生して、そこからムーオが現れたんだ。

 魔獣を使役するんだが、作戦を持って集団戦を仕掛けてくるから、襲われると太刀打ちできなくてね。

 そこで、今回は最大人数の5人の整調者ピースメーカーを選ぶのさ。これが最終選考なんだよ」

 

「はー、そんな事になってるのかー。最近魔獣が増えてきたのはそれが理由かー」

 

「というわけで、推薦もあることだし、私と契約して整調者ピースメーカーになってよ!」

 

「契約だってー?それって確か、なにか条件をお互い出して了承するってヤツだよなー?オレになにかいいことあるのかー?」

 

「おっと!?即決してくれないか···。なかなか慎重だなぁ~。私からは神の力を貸し出すんだけど、何がいいかな?任務完了したらその力の一部をあげるよ」

 

「そうだなー···。魔力かなー?エセムのおかげで魔法が得意になったからなー!」

 

「OK!じゃあ、なってくれるかな!?」

 

「おう!いいぞー。これでうちの集落の連中もビックリするだろうなー!」

 

「じゃあ、これからは念話で連絡するよ。他の整調者ピースメーカーも決まり次第、どこかに集合してチームを結成してもらうよ。その後に神託で世界中に周知することになるんだ。これからもよろしくね~!

 ···あっ!?サインもらわないと成立しないんだった!帰る直前で悪いけど、ここに直筆でサインくれる?」

 

 

 ···本当に世界の危機なのかー?緊張感ないなー。そんな事を思ってると、周りが白くなっていき、気がつくと拠点のベッドにいたんだー。

 

 あれは夢だったのかー?でも、とんでもない魔力が体に満ち溢れてるのがわかるんだぞー。100倍以上かー?とにかく、これは本物だなー。

 

 そうかー。オレって整調者ピースメーカーになったのかぁー。力がなくて狩りに連れてってもらえなかったオレが、世界を救う整調者ピースメーカーになるなんて、誰も思わないよなー!

 

 ···いや、1人いたなー。パイルさんだぞー。運命って、まさか整調者ピースメーカーの事だったのかー。さすがだなー。

 

 さーて、集合場所は連絡が来るみたいだから、それまではのんびりしとくぞー!

 

 というわけで、まずはお昼寝だー!おやすみなー!

 

 ぐおー、ぐおー。すぴー、すぴー···。

 

 

『う〜ん···。人選失敗しちゃったかなぁ~?まぁ、ネタ枠・・・って事でいっか!』

 

『エレくんエレくん!なかなか良さげな人を見っけたよ〜!この人なんてどーよ!?』

 

『ふむふむ。良さそうですなぁ〜!越後屋···、じゃなくてナビくんよ、お主もワルよのう〜』

 

『いえいえ〜!お代官様···、じゃなくてエレくんほどでも〜』

 

『『わっはっは〜!』』

 

 

 ···やっぱりフザケてやってたようだなー。

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