リオ過去編-06 お金について教えてもらったぞー!

 結局カイジの町には2週間いたんだぞー。魔獣の被害がそこそこ大きくてなー。とりあえず重傷者は襲撃当日になんとかなったけど、軽傷者は後回しになってたから、翌日はまる1日ずーっと回復魔法をかけてあげたんだなー。かなり疲れたぞー!

 

 3日目以降は魔獣退治を手伝いに行ったんだなー。魔獣襲撃で兵士たちも疲弊しきっていたので、魔獣退治に向かわせる兵士がほとんど出せなくなってパイルさんが困ってたから、オレから名乗り出て魔獣退治に出かけたぞー!

 

 ···ただし、昼からだから、あんまり遠くまでは行けなかったけどなー。寝坊助しちゃったけど、隊長は怒ってこなかったなー。

 

 しっかし、なんでこんなに多いんだー?1日で100体以上狩ったぞー?レジストに匹敵するぐらいだけどなー。

 

 ただ、魔法でこんなに魔獣を討伐できるもんなんだなー!たったオレ一人だけで集落のハンティング1チーム分くらい狩れてしまってるぞー?

 

 それが1週間ほど続いたんだなー。ようやく魔獣たちの襲撃が収まって、町の中も平穏になり、兵士たちも通常モードになったから、このあたりで失礼しようかなー?って思ったら、ヒルダさんが赤ちゃんを産んだんだぞー!

 

 かわいい男の子だったなー!『カーネ』って名づけられていたぞー!ただなー?パイルさんはカーネの『運命』を見ちゃったみたいなんだなー。

 

 

「···この子も、リオと同じ強い運命を感じるな。もしかすると、この先にリオと力を合わせる時が来るやもしれんな」

 

「そうかー。まー、こうやって産まれたところを立ち会ったんだから、一緒に旅することになってもうまいこといくんじゃないかなー?」

 

「ははは!そうだな。リオと一緒なら私も安心できるな。···本当に行ってしまうのか?」

 

「おう!まだまだオレはいろんなところを見て回りたいからなー!近くに寄ったら会いに行くぞー」

 

「わかった。世話になったな。ありがとう。護衛料は···、よし。これで振り込んでおいた。当初考えていた金額よりも上乗せしておいたのでな。あんまり食べ過ぎると、すぐになくなるぞ?···気を付けてな」

 

「おう!オレこそ世話になったなー!楽しかったぞー。またなー!」

 

 

 さーて!次はどこに行くかなー?レジストから北へ向かってきたから、このまま北へ向かうかー!

 

 その前に、護衛料っていくら振り込まれたんだー?···?500万ジール?あんまりお金の価値がわからないから、多いのか少ないのかがわからないぞー?酒場で食事した時はメニュー見てただけで、値段なんて見てなかったからなー。まーいいかなー!

 

 北へ向かうにしても、どこに町があるのか?とかまったくわからないなー。とりあえず飛んでみるかー?竜モードなら多少長く飛べるからなー。

 

 そう思って、竜モードになってから空を飛び始めたんだー。うーん!気持ちいいなー!空を飛ぶってのはドラゴン族だけの特権だからなー!まー、青竜だったらそこそこ早くて長く飛べるらしいけど、どれぐらいかは会ったことないしわからないなー。

 

 そう思ってしばらく飛んでいると、街道のそばで魔獣がたくさん集まっているのが見えたんだなー。危ないから殲滅しとくかー!

 

 

 ···よーし!殲滅完了だー!だいぶ魔法を実戦で使うのも慣れてきたなー!まー、15年も練習してたんだから、その成果が出てるなー。でもなー、狩った獲物を運ぶ手段がないんだなー。せっかく狩っても素材がダメになってしまうけど、これは仕方ないなー。

 

 そして宿場町に着いたぞー!今日は一人で初の宿泊だなー。隊長がやってたようなやり方で部屋を取ったらいいんだなー!よーし、やってやるぞー!

 

 

「こんちはー!おっちゃん、一人なんだけど、部屋空いてるかー?」

 

「おう、いらっしゃい!シングルなら空いてるぜ。6000ジールだけどいいか?」

 

「おう!これで決済してくれー!」

 

 

 オレが魔法型身分証の決済機能で支払おうとしたら···

 

 

「おっと!?魔法型かよ!?旅人では珍しいな~!不便でないか?」

 

「不便だってー?どういうことだー?」

 

「···もしかして、どこかの貴族のボンボンかい?」

 

「いやー?先日集落から出て旅に出たばかりだぞー?」

 

「あ~···、そういう事か。あのな?魔法型は決済が大口の金額が多いから、普通のお店だと使えないところが多いんだよ。うちは商隊も泊まるから対応してるんだが、うち以外だとこの宿場町で使えないぞ」

 

「えー?そうなのかー?」

 

「ドラゴン族だったらカード型は携帯できないもんな。今も人型に変身中なんだろ?」

 

「そうだぞー。···そういえば、役所で身分証作った時に魔法型一択だがいいか?って聞かれたのはそのせいかー?」

 

「そういう事だぞ?かなり不便だが、こればっかりは仕方ないな。大きな町だったら役所で現金に引き換えキャッシングできるから、場合によってはそうしろよ」

 

「おう!親切にありがとなー!おっちゃん!」

 

「いいってこった。さあ、これがカギだ。酒場は午後6時から、朝は午前6時からだ。チェックアウトは10時だから、それまでにはカギを返しに来てくれよな!」

 

 

 さーて部屋に入ると、ベッドが1つあるだけの簡素な部屋だったぞー。まー、夜を明かすだけだからこれだけでもいいかー。

 

 のんびり昼寝してたらいつの間にか夕食の時間になったから、酒場でいろいろ頼むぞー!

 

 ···あんまり頼みすぎて怒られたぞー?確かにテーブルに載せきれないほどになってるけどなー。この程度なら軽く入るぞー?まー、いいかー。

 

 

 次の日。

 

 

「おーい!!いるんだろー!!チェックアウト時間過ぎてるぞー!!起きないともう1泊お金取るぞー!!」

 

「ん~~?···えっ?···もうそんな時間!?朝食食い損ねたぞー!!」

 

「やっと起きたか!!さっさと出てってくれ!部屋の掃除ができなかったらもう1泊分取るぞー!!」

 

「わー!悪かったよー!すぐに出ていくからなー!!」

 

 

 また寝坊助してしまったようだぞー。おっちゃんに怒られちゃったなー···。気を付けるぞー。

 

 さーて、今日もまた飛んで北へ向かうぞー!

 

 そうしていい天気の中、ゆっくりと空を飛んでいると、天気が少しずつ悪くなってきたんだなー。結構霧が出始めたぞー?

 

 まー、さっきまで周囲には何にもなかったからしばらくは大丈夫だなー!そのまま前方の視界が悪い中をゆっくりと飛行していると···

 

 

 ガンッ!!!

 

 

「いってぇーーー!!」

 

 

 どうも風で山の崖に思いのほか流されていたみたいで、崖に頭を思い切りぶつけてしまったんだなー。そして気を失って墜落してしまったんだぞー。

 

 

「うーーん···」

 

 

 崖に思いっきり頭をぶつけた衝撃で、意識を失って倒れていると、誰かが近づいてきたんだー。···誰だー?

 

 

「おやおや?空からドラゴンが降ってきた?今日の天気は変わってるなぁ~?」

 

 

 だ、誰だー···?まだ意識がはっきりしてないから、声が出せないぞー···。

 

 

「これを飲めるかの?気付け薬なんだけどね?ドラゴン族に使ったことないから効くかはわかんないけどね~」

 

 

 とりあえず、言うとおりにしてやると···!

 

 

「んぁ!?ぎゃーー!!か、辛いーーー!!!舌がヤケドするーーー!!!」

 

「あれ~?あっ!?気付け薬と間違えて香辛料入れちゃったか!そりゃ辛いわ~!わっはっは!」

 

「な、なんてことするだーー!み、水!水ーー!!」

 

 

 オレはすぐ魔法で水玉を作って顔を突っ込んだ!んぐっ!んぐっ!···あー、収まったぞー。ひどい目にあったなー!

 

 

「わっはっは!気が付いたようだの~!それだけ元気なら落ちてきた時のケガも問題なさそうだね!さすがドラゴン族なだけあるよ」

 

「ひどい目にあったぞー!って、どちら様ー!?」

 

「おお、自己紹介だね。ワシはコバタ。こんな辺境に住んでいるしがないジジイだよ」

 

 

 この爺さんとの出会いも、今考えたら運命だったんだなー。

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