三話 前世の東京
半年前位に別れた2つ年下の彼女、夢乃らむ。
あれ以来新しい彼女が欲しいとは思えなどころか、女性自体が更に苦手になってしまった。
■らむとの出会い■
学生時代の友人から人数が足りず、数合わせで良いからと合コンに誘われ、乗り気では無かったが他ならぬ友人の頼みという事も有り行く事にした。
この年になるまで彼女も一度も出来た事は無い為、まあ良い縁が有ればくらいで友人3人に比べたらそこまで目を血走らせる事も無かったのだが。
「なあ、紗烙お前イケメンなのになんでこの歳まで彼女出来た事無いんだろうな?」
「知らないよそんな事。俺に聞くなよ」
「あれじゃない、この見た目でコイツ!ロリ幼女好きじゃん!それだよ、それが原因!!」
「あー、確かにそれは有るかもな。インドアで家でずっとロリ幼女見てはぁはぁ言ってる様なやつ、顔がイケメンでも彼女の立場からしたら嫌かもな」
「お前らなあ…!他人事だと思って言いたい放題かよ!」
(まあ、実際この年らのこいつらが喜んで買うようなエロ本には興味がない、化け物かというくらいの巨乳でお姉さん系な女性やOL女性などは俺は専門外だ。背の低い可愛いロリっ子達の本や同人誌がオカズとなる)
「おいおい、変な意味合いじゃないぜ?俺らは紗烙を心配してやってるんだ。将来俺ら3人は美人な子を嫁に貰った時にお前だけ独り身じゃ可哀想だと思ってだなぁ…」
「ああ、はいはいご心配ありがとうございます〜」
本当にこいつら友人か、先程の言葉を撤回したい位だ。
と、楽しそうに話す3人の後ろを歩きながら小さく溜息を漏らす。
「まあ告白された事は割とある方だが、なかなかこの人だっていう運命の人に出会えてないだけだ」
「おま、女子かよw夢見る乙女ちゃんか??」
ケラケラと笑い、話しながら暫く歩いていると会場である池袋のカラオケ店に着く。
入口前で女の子達を待つ事5分。
俺は全員知らない女子のみだが誘いをして来た今日の合コンの主催者でもある、
「あっ、海莉ちゃーん。こっちこっちー!」
「雅也くん待たせてごめんねっ」
「大丈夫。おお〜、皆可愛い子ばかりで流石海莉ちゃんの友達っ♡」
「立ち話もなんだし、はいろーぜ!」
雅也が受付で店員と話をしている間各々話をしたりして楽しんで居る様だが俺はどうもその輪に入る事が出来ない。
「ねぇ?君名前はっ?私は
一人で少し離れた所でスマホゲーをしながら待っていると先程雅也に名前を呼ばれた海莉という女の子が雫と話していたのを切り上げて話しかけてきた。
「は、い…俺は
「なんか変わった名前なのね!でも凄くカッコイイね!てゆうか〜、紗烙くんすっごくイケメンだね…私……」
互いに自己紹介をしてると急に西田さんが頬を染めながら顔を近付けて来て何かを耳元で囁きかけたが俺は他ならぬ殺気の様な物を感じ顔は動かさず、目線だけを横へとずらす。
そうすると女子メンバーの中である意味一番目立つ格好をしている女がこちらに、正確には西田さんに目を向けて舌打ちを一つし、一言声に漏らす。
「チッ、あのクソビッチが…」
「……っ」
え、何この二人って仲悪いのか…それなら何で一緒に?
てか、怖いんだけど…。
西田さんも彼女の視線に気付いた様で何かを言おうとしていたのだが俺から距離を取りニコリとした笑みを俺に向けてから背を向ける。
まだ始まっていない合コンを目前に何やら一悶着起きそうな嫌な気しかしない。
「皆おまたせ〜、部屋いくぞー!」
「はあ…」
「なんだ、紗烙もう疲れた様な顔してるな?」
真司の、俺を心配してくれる声に苦笑いを見せ、雅也の声でその場の全員でぞろぞろと指定された部屋へと向かう。
「はい、じゃあ改めて皆自己紹介をしようかー!俺は
「はいはいー、じゃあ次はこの僕だね。僕は
「おま、自分で可愛い系とか言うなよなぁ…、まあいいや次は俺、
「ああ……俺は百目鬼、紗烙だ宜しく。」
「じゃあ次は女子の番ね、私は西田海莉よ。よっろしく〜!」
「えーと、私は
「
「やっと私の番が来たのね!私は
各々自己紹介をして一通り終わると、とりあえずは男女が対面になるように座り目の前の相手と雑談をしたりしながら情報交換をしていく。
西田はまあまあオタクの中でも珍しそうな、陽キャな部類っぽい。
小野寺は番人受けしそうなオタク寄りな見た目でもなく、普通にオフィスカジュアルめな服装にしっかり目なお姉さんなイメージもある様な子だ。
七海はおとなしそうな感じか、顔は悪くないがこういう場には慣れてなさそうな感じの子だった。
夢乃は西田と似たタイプなのだろうが、服装などは流行りの地雷系と言うやつなのかピンクのフリルシャツに黒いサスペンダーのスカートいかにもな服装に俺は顔を引き攣らせていたと思う。
皆それぞれ度合いは違えど少なからずアニメやら漫画、ゲームなどは好きらしい。
こうして俺はらむと対面を果たした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます