026 ~記憶に役割を持たせる~

「あれ、いま何しようとしたんだっけ。」

ということがある。

「あれ、いま何思いついたんだっけ。」

ということもある。


あの時の居心地の悪さといったら、

万国共通・人類共通なのではないかと思う。


もし「忘却」を擬人化した場合、かなりその性格は悪い。


何かしようとしていたということは、何か対象があったということだ。

しかしぽっかりとその対象だけが忘れ去られてしまう。


思いついた感覚や、忘れてしまった自分はまじまじと実感させられているのに、

肝心の対象がいつまでも思い出せない。


もやもやする。


でもわかったことがある。

たぶん、記憶にも言語学の内容語と機能語の関係があるのではなかろうか。


内容語……名詞や形容詞など意味に関係する単語のこと

機能語……前置詞や接続詞などの役割に関係する単語のこと


どちらかと言えば内容語の方が覚えにくく、忘れやすい。


だから記憶も、思いつくことと忘れることは、

人間としての機能、だから忘れない(にくい)。


一方で対象(思いついたこと)は内容だから、忘れやすいということになる。


どうしても忘れたくないのであれば、

対象(対象)に機能を持たせればいい。


例えばキュウリを買わないといけないと朝に思ったとする。

しかし夕方には、何か買わないといけないものがあった気がする……となる。


そこで、きょうの夕飯は冷やし中華と決めて置けば、

材料の一つという機能としての役割に変わる。だから忘れにくくなる。


記憶は工夫次第だ。


僕は諦めない。


*次のエッセイで記載することが、

 まさに思い出しては忘れを繰り返した内容、いよいよ自分に嫌気がさしたから考えた(笑

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