すれ違った二人は大人になって
もえはぐるま
第1話
僕はこんな経験をした。
高校時代に帰りの電車を駅ホームで待っていたら後ろから突然話した事もないクラスメイトの女の子から「わっ!」っと肩を掴まれた。その後その子はこう言った。「僕君驚いた!ふふっ。。また学校でね。バイバイ!」と。
何気ない日常的な言葉だけど僕には未知なる鼓動の高まりを感じていた。
僕はパッとしない高校生だった。明るい性格ではなく無表情で趣味はアニメ、ゲーム、鉄道といった文化系的な男子だ。高校入学仕立ての際はいわゆる高校デビューって奴を果たそうとしけど背伸びし過ぎたのか空回りした。でもそんな僕が良い意味なのか悪い意味なのかわからないが目立ってしまった出来事があったんだ。それは新入生合宿研修というお泊まりイベントにて各クラスがマジックしたりだのダンスしたりだのする出し物だ。僕のクラスでは合宿が始まる3日前まで何をやるか決まらず迷走状態だった。そんな時にどういう訳か僕は担任に向かって手を挙げてこう提案した。
「先生、出し物なんですけど・・・決まらなければ、オタ芸やりませんか?
」
その発言に対して流行りの○ミームみたいな声のトーンで「は?」というセリフが多数の方向から聞こえた。まぁそうだよなと予想はしていたが心にキズが残りそうだぜと思いながら何気ない勇気に後悔したその時だ。
「ふっ。オタ芸か。面白いではないか!我はやった事がないが存分に暴れ伝説を残そうぞ!」と賛同してくれたクラスメイトが現れたのだ。
僕はその男子を勝手に厨二マンというあだ名を心の中で付けた。本名は想像に任せる。しかし状況が大きく変わった訳ではない。踊り手が現時点で2人しかいないのだ。これではクラスの出し物として成立しない。どうするかと今更ながら頭の中で悩んでいたらクラスメイトの中からもう一人出てきた。その子は入学式の際に話す機会があり仲良くなった友達で(僕)と仲がいいからという理由だけで多数のクラスメイトの(強引な)推薦によって踊り手として参戦したのだ!
「えぇ・・・わかったよ。」といったセリフを吐きながら。
僕はなんかすまんと心の中でつぶやいた。巻き込まれマンである。最終的に体育の授業で使用される簡単な曲と踊りの中でサビの部分だけオタ芸を入れるといったアレンジになった。そのオタ芸はクラス全員が踊るのだけでなく、僕・厨二マン・巻き込まれマンの三人だけが踊るという目立つ人間の枠になった。
出し物本番が来て僕は考えたら負けと思いオタクファッションをしながら全力で踊った。ウリャほい!とかよくわからんかけ声を出しながらOAD・サンダースネイク・ロマンスといった技で決めてやったぜ。過去の話だから語れるがこの機会が初めてオタ芸をだった。(まさかこの案が通ると思わなくて。)
でも・・・僕らがオタ芸踊ってた時はなんか空気が冷えてたな(笑)
あとは、何だろう同じステージの方向から僕に対して暖かいような目線?を感じたような。まぁ気のせいか。
各クラスの出し物が終わり全体的な解散がかかり自分の部屋に戻る際に冷たい視線もあったが「ナイスオタ芸!」という賞賛の声もあって嬉しかった。これがきっかけで学校での友好関係が増えた事は間違いないであろう。
そんな合宿研修から数ヶ月が達ち1学期の期末試験が終わり、いつも通りの下校といういつものルーティンをこなしている。駅のホームに着いた。その際にあれが起こったんだ。例の肩掴みとバイバイという決めてきたセリフが!僕の未知なる鼓動の高まる出来事がさ。
振り返ったらツインテールの似合うクラスメイトの女の子だった。
「わっ!」「僕君驚いた!ふふっ。。また学校でね。バイバイ!」
この瞬間的な出来事でツインテールヒロインに僕は惚れた。
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