実話怪談ランドスケープ
高橋志歩
1:ぽよんぽよん
一番最初、妙なものを目撃した記憶は多分3歳ぐらいの時。
私の一家(父と母と私)は当時、大阪の堺市のアパートに住んでいた。
アパートは1階で、小さな庭があった。
ある日、縁側に座って庭を見ていたら、左手の方から大きな半透明の「ぽよんぽよん」としたものが木の間から出てきて、その場で跳ねだした。
後日思い返すと、「人間ぐらいの大きさがある繭」という感じだった。
何だろう?と不思議に思ってじっと見ていたら、「ぽよんぽよん」は庭を跳ねて横切って、そのまま右手の木の間に消えた。音は何もしなかった。
特に怖いとも思わなかったし、私の足元にいた飼い犬も吠えなかったから、悪いものではなかったのだろう。
しかし何だったんだ、あれ。というのは今でも不思議である。もしかしたら鮮やかな白昼夢だったのかもしれない。
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