七瀬さんのちょっと歪な姉妹百合
アイズカノン
第1話 テンプレのような再婚と義妹
私の人生において、別れと出会いはいつも唐突だった。
日が昏れる頃合のファミレスで1組の父娘と対面にもう1組の母娘が四人席でぎこちない雰囲気になっている。
そして2組のうち、父娘の方の娘が私。
黒髪のミディアムヘアに紫色の瞳に、白と青のセーラーブラウスと青いミニスカートに青い紐のリボンの制服を着た少女が私こと【
そして隣にいるのが私の父こと【
見た目はまあ見ての通りのおじさん。
イケおじと言えばイケおじかな……ってくらいの良さはある……、うん。
「突然ごめんなさいね。急にこんなことになって。」
「いえ、大丈夫です。僕にとってはいつもの事なので。ね。お父さん。」
「う、うん。そうだね……。本当にごめん。」
私に優しい声をかけたのはこれから私の第2のお母さんになる1児の母とは思えないほど若く綺麗な女性。
この人が私のお母さんになるのは、まあ、案外悪くないかも?……っていう第一印象。
「一応聞いてるとは思うけど改めて自己紹介ね。私は【
「同じく【
「うん、よろしく。」
咲希さんの隣に座ってる私から見て右側に綺麗な金色の髪を束ねたショートサイドテールに赤い瞳、私と同じセーラー服の制服を着た少女が楓。
私の妹(お父さんによる事前説明)になる娘だ。
@
あれから数日が経ったある日。
今日は咲希さんと楓さんが家にやってくる日。
そのためか、我が父はソワソワしながらリビングをウロウロ……。
「お父さん。そんなにウロウロ歩き回ることないでしょ……。」
「だって凜々、咲希さんがやってくるだよ。お前も妹ができるだぞ。」
「いや全然。それに前に僕から妹を奪っておいてそれはないでしょ。」
「はい、すまん。」
まあ事実なので仕方ない。
私は冒頭で別れと出会いは唐突だったと行ったが、実妹との別れが私の最初の別れだった。
まあそんなこんなでピンポーンというよくある玄関の呼び鈴共に新しい母と新しい妹がやってきた。
「お邪魔します。」
「お母さん、「お邪魔します」じゃなくて、「ただいま」でしょ。」
「そうだったわね。」
まあ初日だししょうがないよね。
そんな新しい家族を見た私はちょっと微笑ましくなった。
「おかえり、引越し作業と移動で疲れたでしょ。」
「あら、荷物持ってくれてありがとうね。晴人さんと違って結構男前なのね。」
「お父さん……。」
「いや、これはだね。」
「えぇ……。」
流石に引きますよお父さん。
そしてどうして再婚できたのですか、お父さん。
まあ、そんな親に今までついてきた私も人の事言えないか……。
「楓もこんな優しいお姉ちゃんができて良かったわね。」
「ふっ。そうだね、お母さん。」
いま、今笑いおったなこの妹よ。
やっぱりあのお父さんが選んだ相手だけあってこの子もなんかありそう……という私の微かな予想はすぐに答え合わせさせられるとこになるとは思ってなかった。
@
新しい家族の簡単な歓迎会と終わらせ、私は新しい妹である楓と一緒に輸送された引越しの荷物と共に部屋にいる。
「今日はありがとうね。」
「……、別に。」
「意外と達観してるのね。」
「まあ、あんまり周りに興味無いからね。」
「フゥ〜ん。」
少し納得した様子で私を見てくる。
空のダンボールとまだ開けないダンボールが半々の状態で部屋を少し埋めている。
「ちなみにだけど、凜々ちゃんの誕生月っていつ?。」
唐突な質問に私の背筋が凍る。
特に予感してた訳では無いのに、その挑発的な顔がより確信へと解釈させてくる……。
「11月ですけど……。」
「ふーん、そうなの。」
「ちなみに楓さんは?……。」
「4月だよ。」
やっぱりかぁ……。
まあ確かに考えてはいたけれど。
あのお父さんのことだからどっかで齟齬があったかもしれないけど。
「そういうことだから、よろしくね。凜々お姉ちゃん。」
私の新しい生活は果たしてこれで良いのだろうか……。
そんなことを思いながら私は少し歳上の義妹という新たな家族を迎え入れた物語が始まってしまった……。
これって詰みセーブってやつですか……。
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