美術部

「今日は美術部のみんなと、学校を出て、近くの公園まで来てみた」

「う~わっ、めっちゃきれいな公園!見晴らしも良し。めっちゃいい景色」


「そうでしょー!海も近いし、よく見渡せる。これは、あやなっちにも、いい風景画、描けるねー」

「そうだねー」


「沖縄ならではの風景でしょー、ねっ、あやなっちー」

「まあ、たしかに、ほんと、そう...」


「よしっ、今日は描くぞ~」

「あ、ゆうなっちー」


「なに~?」

「あのね...ゆうなっちにモデルになってもらいたいなって」


「えっ?うちにモデル?」

「そう!せっかく、めっちゃ良い風景だから、その風景の中に、ぜひ、ゆうなっちも描いておきたいなーって思って...」


「いいよー」

「ほんとー?」


「うんっ、今日はあやなっちの絵のモデルさんになってあげるさー」

「うわっ、やったあ、ありがとー、ゆうなっちー!」


「どのあたりにいて、どんな風にしてればいいのーっ?」

「えっとね...きれいな海をバックにして、踊ってるとこだなーっ」


「じゃあ、このあたりでダンスしてればいいのーっ?」

「うんっ、そうだねー」


「わかったさー!じゃあ、踊ってるねーっ!いい瞬間あったら『ストップ』って言ってねっ」

「うんっ、わかってるー、ありがとー」


「こんな感じのダンスでいいーっ?」

「あ、うんっ、めっちゃいいーっ!...あ、ストップ~」


「あっ、今?はいっ!」

「よしっ、これだあーっ!この瞬間だあ!この瞬間のゆうなっちだあーっ」


「うわっ、とまってるの、きつっ!」

「え、ほんと?きつい?」


「うっそっさ~。きつくなんて、ないさ~。ぜんぜん、いけるさ~...そのかわり...はやく描いてねっ」

「わかったー!」

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