第41話

隠れ家内。聖飛と葵桜はテーブル前の椅子に腰掛けて、他のメンバーからの連絡を待っていた。

「上手くいってるかな」

「きっと、大丈夫」

「……だよな」

 トランシーバーから声が聞こえる。

「賢斗です」

 声の主は賢斗だった。

「賢斗か。今の状態はどうだ?」

「だいぶ船とか水上バイクとかが近づいて来てます」

「そっか。無茶だけはするなよ」

「はい。しません。すんなり、捕まります」

「……わかった」

「もう、切りますね」

「……あぁ」

 賢斗からの連絡は途絶えた。

 聖飛はトランシーバーで、紅礼奈達に話しかける。

「紅礼奈。今、どこら辺にいる」

「えっーと、今は南区と西区の近く」

「そうか。わかった」

「賢ちゃんはどうなってるの?」紅礼奈は訊ねた。

「もう捕まる」

「……そっか。それじゃ、うちら、急いで橋に向かうわ」

「あぁ、頼んだ」

「了解、任せなさい」紅礼奈は威勢のいい声で言った。

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