第13話

同日の夜。SSグループの最上階の部屋に仙石と梨本が居た。仙石は椅子に腰掛け、梨本は仙石の目の前に立っていた。梨本は何かの資料が入ってあるファイルを手に持っていた。

「どうだ。計画は順調に進んでいるか?」仙石は訊ねる。

「はい。第二段階に移行中です」梨本は手に持っているファイルを開き、中に入っている資料を見ながら答えた。

「そうか。盗まれたデータの方はどうなっている」

「片方は明日、手に入ります」

「ならいい。もう一つのデータも時間の問題だな」

「はい」梨本は頷いた。

「下がれ」

「失礼します」梨本は仙石に深く頭を下げた。そして、その後、頭を上げて、部屋を出て行った。

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