永遠のたまご

@arup

第1話

 外では光が溢れているが、僕のところまでは届かないだろう。悲観的な心を誰かに壊してほしかった。ごめんなさい。心の中でつぶやくと彼は奥の部屋に行ってしまった。飾り気のない机を前にきっと彼女はうなだれているだろう。周りの雑音なんてきにしなくていいのさ。彼女はそういっていたのに、僕は憧れをすてられず、彼女を捨てた。


 彼女に悪いところなど一つもなく、不満なんて一つもなかった。僕はひたすら最低だった。そんな偉い身分でもなく、誰を評価できる器ではなかったのに、彼女を傷つけてしまった。きっと今孤独でなければ、そんなことも思わないのだろう。思ったより世界はわからず、僕は波に飲まれるだけ。


 もう何も光が見えないようだ。誰か僕の感性をどうにかしてほしい。

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