第4話 神との対話
「久しぶりだね。転生者君。」
目の前の神は楽しげに挨拶をしてくる。
「いやぁ〜。まさかきみが選ばれるなんてね〜。」
僕は神に向かって全力で走った。
「やっぱり異世界人って運が良くなるようにできてるのかなぁ〜。」
そして神の少し前のところで拳を握りこみ腕を振り上げながら飛び上がり,,,
「と言う訳で、君はゆ,,,ん?」
そのまま神の顔面に拳を振り抜いた
「ぶべらっパァ!」
バキィ!という音と共に神はそのまま後ろに転がり、倒れ込んだ。
「フゥ〜。スッキリした!」
「じゃないでしょ!」
まだ生きていたか。しぶといヤツめ。
「まだ生きていたかってどういうこと!?本気で殺す気だったの!?」
そいえばこの空間では喋らなくても考えたことがそのまま聞こえるんだった。
っていうか殺されないと思ってのか。
こいつアホなんじゃないか?
「それはこっちのセリフだよ!第一殺される理由が全く思い浮かばないんだけど。」
こいつ本気で言っているのか?マジでアホなんじゃないか?
「僕殺されるような事してないと思うけど,,,。だって君の要望を叶えて転生させたはずだし。」
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15年前
「やっほー。僕は神。突然だけど君は僕の手違いで死んでしまった。ごめん!」
気がつくと周りが真っ白な空間にいての前の青年が神と名乗る。
この流れだと僕は今から異世界に転生か転移される流れだ。
「おぉ〜。話が早くて助かるよ。その通り。君には今から転生してもらうんだけど、こちらの手違いで殺してしまったお詫びに願いをひとつ叶えてあげるよ。」
願いか、ならできるだけダラダラ人生を送りたい。
「え、そんなことでいいの?」
そんなこととはなんだ。僕にとってダラけるという行動は息をするのと同じくらい大切なことなんだ。
「ふーん、君面白いね。分かった、じゃあできるだけダラケられる家の子にしてあげるよ。」
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「,,,って感じで僕は金持ちの公爵家に君を転生させたのに何があったら僕を恨むの?」
神は顔を傾けながらそう答える。
「おい、いい加減にしろよ。公爵家は確かに金はある。だがその金は一体どこから入ってくる?それは公爵領の領民達からだ。では何故領民達から金が入る?それは公爵家の当主が領地を発展させる為に人一倍努力し、働くからだ。確かに当主は他の人に比べ肉体労働は少ない。だが、その分デスクワークは10倍以上の差がある。しかも、次期当主には将来の為に知識を詰め込まなければならないので幼少の頃から勉強を強制させられる。」
ここで僕の怒っている理由のわかった神は見る見るうちに顔が真っ青になっていく。
「だがここまではいい。なぜなら逃げ出せばいいから。しかし、お前の選んだ公爵家には最悪の悪魔共が居たんだ!『スリープ』の魔法でどこへでも強制送還させる眠らせの父。『アンチマジック』で僕の行動を封じる手札破壊の母。お願いされたら何でもしてしまう可愛さを持つ小悪魔の妹。そして、ことある事に僕を燃やそうとする冥土長サリー。このメンバーがいる中逃げ出すことなどほぼ不可能。そんな地獄に放り込んだお前は絶対に殺すと心に決めていた。」
すると、神は目の前で僕以上に滑らかな動きで土下座をした。
「ごめんなさい!僕の浅い考えで君を苦しめてしまった。本当にごめん。」
さて、自分の罪に気がついたようだところでどう殺すか,,,
「お詫びと言ってはなんだが、本来成人の儀で与えるはずだったスキルとは別にもう1つ欲しいスキルを君に与えよう。だから殺さないで。」
なん,,,だと!?好きなスキル?なんだよ、それなら先に言えよ。
危うく今から首を絞めるところだったじゃないか。
「え、首を,,,?」
それなら話は別だ!僕は『怠惰』スキルを所望する!
「あぁ〜、『怠惰』か。確かに君の望みを叶えるにはそれが1番だね。分かった。じゃあスキルはそれで決まりだ。」
よっしゃぁぁぁ!これで働かなくても済む!存分にダラダラするぞ!
「フッフッフ。それに加えて君が本来受け取るスキルはなんとゆ,,,,,,あ。」
ん?なんだ?神の顔がまた青くなり始めたぞ?
「ま、まぁそれは人間界に戻ってからのお楽しみで,,,」
なんだか嫌な予感がする。
「あ、もう時間だ。」
おい、僕の本来のスキルはなんなんだ。
「それじゃあバイバイ!もう来ないでね。」
そこで僕は元いた教会へ戻された。
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