第6話 バニーでも逆バニーでもメイドはメイド。俺には分かる。


  【ゴブリンの攻撃】

 【順司シールド値160→0】

【順司にダメージ0】

アタックカード4枚で160ダメージか。

 いっそ防御を捨ててアタックカード4枚で160。

 ゴブリン棍棒アタック1枚のダメージがアイスボール1枚と同じ20ダメージかは分からないが。

 攻撃カードを増やせば増やす程、ダメージボーナスも大きくなると。

 そういう所だろうな。


 父親はシールドを兆度使い切り、このターンダメージ0か。

 しかし、MPは消費しているんだ。

 この手が正しいかどうか。


 まったく、俺は異世界転生して早々についてるぜ。

 大賢者として異世界転生したのに、幸運値Aランクチートでも付与されてるのか。

 

 しかし、しかしだ。

 ミルクは飲みたいな。

 赤ちゃんってミルクを飲むんだよね。

 誰か、ミルクを下さい。


 「まったく、しょうがない英雄達ね」


 メイドのような少女が、部屋に入ってくる。

 メイドのようなじゃない。

 彼女はきっと、メイドだ。

 彼女がメイド服を着用していなかったとしても、セーラー服でもバニーガールの衣装を来ていても。

 逆バニーだったとしても俺は分かるだろう。


 「英雄ってのはろくなのがいない」

 「英雄ってのはクズばかり」

 「英雄ってのはろくでなしの人でなしばかり」

 「それが英雄」

 

 なんだか、心が痛い。

 俺が言われてる気がする。

 正しいんだよね。

 英雄ってのはろくでなしの人でなしばかりだ。

 俺には分かる。

 


 「このゲーム時間かかるし」

 「貴方このままだと死んじゃうね」


 それは困ります。

 産まれたばかりの赤ちゃんを放置して夫婦喧嘩を始めたまま死亡はごめんこうむる。


 「でもでもでも」

 「私がそうはさせない」


 「何故なら」

 「私は貴方を育て守るために生まれた存在だから」

 「そんな気がしてるの」

 「はじめまして」

 「少しぶりといった方がいいかな」

 「福沢諭記雄」



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