第4話 アイスボール×3 アイスシールド×2


  「いや、違うな」

 「この四文字を重ねよう」


 今、ここで夫婦喧嘩は辞めてください。

 俺は産まれたばかりの赤ちゃんで、1人では何もできません。

 俺赤ちゃんなの。

 お世話してね。

 泣いちゃうよ。

 今も泣いてるよ。

 おぎゃあ。


 「GAME」

 「GAME」


 2人はコントローラーを握り、ディスプレイが現れる。

 この世界のゲームを確認しておける機会なんだが、今はそんな事よりも。

 赤ちゃんとして生きる事を優先しなければならない。

 だー。うー。びぇぇぇ。


 「先手を貰おう」


 父親が、コントローラー操作をし、6面ダイスを投げる。

 今すぐこのゲームを投げて俺のお世話をしてください。


 「5だ」


 父親が、5マス進む。


 【2Pは敵マスを踏みました】


 アナウンス通り、敵が出現する。


 父親に5枚の手札が配られる。


 アイスボールが3枚。

 アイスシールドが2枚。


 氷属性の魔法を使ったデッキか。

 敵はゴブリン1匹だ。


 お手並み拝見だ。

 この、ゲームを見れる今。

 これは、かなり重要だ。


 何故なら、この2人に俺は、勝たなければならない。

 今は全力で、このゲーム見させてもらおう。


 <アイスボール>×3

 父親を模したキャラが、アイスボールの詠唱をする。


 <アイスシールド>×2

 続けて、アイスシールの詠唱も行われる。

 

 成程、1枚ずつ選んだカードを処理していくのではなく、

始めにこのターンに使うカードを全部詠唱していくスタイルか。


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