第8話:比古神 神羅の屋敷。(みこがみ しんらのやしき)

阿加流姫あかるひめは遊月の居場所を探したが遊月はどこかに移動したみたいで、

今の居場所が分からず一旦神羅の屋敷に帰っていた。


そして朝になって神羅の力を借りて遊月が遊星の家にお邪魔してることを探り

当てて瞬間移動して遊星の家にやってきた。


「あ、いた・・・遊月・・・こんなところでなにやってるの?」

「もう来るかと待ってたのに、いつまで待っても来ないから・・・」


「あ、アカルちゃん・・・久しぶりって言うかおはよう」

「ごめんね、ちょっとトラブってて」


「トラブってる?ってなに?・・・俺のこと?」


「そ、遊星のこと」


「遊月・・・この人誰?」


遊星を見て阿加流姫が言った。


「わはあ〜〜〜〜遊月ちゃんに負けず劣らず、めっちゃ可愛い人」


「遊星・・・女性見たら誰にでもそんなこと言ってるんでしょ」


「な訳ないでしょ、さっきも言ったけど、可愛い女の子には正直な気持ちで

接してるだけだよ」

「あ、はじめまして、俺、天河 遊星あまかわ ゆうせいって言って遊月ちゃんの彼氏です」


「あ〜言っちゃった・・・彼氏だって言っちゃった」


「なに・・・彼氏って言ったらそんなにダメだったの?」


「もういい・・・もう手遅れだから・・・」


「手遅れって何?」


「遊月・・・人間界に来てもう彼氏できたの?」


「違いますぅ・・・いやそうですぅ、今勾玉持ってるの遊星だから・・・今、

遊星が自分は私の彼氏だってアカルちゃんに宣言しちゃったから・・・」

「私、遊星の彼女になっちゃった」


「遊月・・・あんた大事な勾玉この人に、渡したの?」


「だって遊星しつこいんだもん」


「あ〜あ、勾玉渡しちゃったんだ・・・」

「あんたたち・・・分かってる?、それって特別な関係になったってことなんだよ」


「特別って?・・・またエッチもしてないのにですか?」


「そうです遊星さん」

「勾玉がこの人に渡った時点で、このお兄さんが遊月の召喚者になったわけ

だからね 」


「俺、ち〜っとも分かんないですけど・・・」


「まあ、そうね分かんないわよね.」


「遊月・・・このまま放っておけないわね」


「私と一緒に、この人?・・・遊星くんも連れて神羅の家まで来て」

「神霊を呼び出す召喚者と呼び出される神霊との関係を説明してあげるから 」


「遊月、あんたその遊星くんと一緒に飛べるでしょ」


「私一人しか飛べないよ」


「しょうがない、じゃ〜私が遊星くんと一緒に飛ぶから」

「はい、遊月、遊星くん・・・私と手をつないで・・・」


「神羅のお屋敷まで飛ぶから」


遊星はなんのことやら分からずボヘ〜っとしたまま阿加流姫の言うことに従った。


「ちょっと、そんなアホっぽい顔してないで私と手を繋ぎなさいよ」


「え?手なんか繋いでもいいんですか?」


「なんでもいいから・・・手をつながないと一緒に飛べないの 」


そう言われて遊星は阿加流姫と手をつないだ。


「アカルさん・・・俺一生手、洗わないませんから・・・」


「遊星!!」


「大丈夫だよ、遊月、明日の朝になって、うっかり顔洗っちゃったあとで、

しまった〜って思うから・この人そう言うタイプだよ・・」


「じゃ〜顔なんか洗わなきゃいいんだ、一生。」


「勾玉返して・・・」


「もういいから・・・行くよ」


て、阿加流姫が言ったと思ったら三人はあっという間にその場から消えた。


「神羅ただいま」


「お帰り、アカル・・・お友達は見つかった?」


「うん、見つかったんだけど、おまけつき」


「おまけ?・・・なにそれ・・・」


「あんたたち入って」


阿加流姫に呼ばれて、遊月と遊星はおそるおそる部屋に入った。


「わ〜すげえ部屋・・・しかも建物もどこかの神社みたいに格式高そうだし」


「すごいお屋敷ね・・・私もお邪魔するの今日がはじめてなの」


遊月が同調した。


「あんたたち、また、なにか揉めてるの?」

「こっち来て・・・・紹介するから・・・私の召喚者兼彼氏、比古神 神羅ひこがみ しんら


「はじめまして・・・比古神 神羅です」


「わあ〜超イケメン・・・私のタイプ〜」


「遊月ちゃんこそ、男なら誰でもそんなこと言ってるんじゃないの?」


「遊星は黙って!!」


「あの〜アカルちゃんから神羅さんのお噂は聞いてます・・・ノロケって言うか〜」


「遊月、ダメだよ、私の彼氏なんだから・・・」


「そうだよ、遊月ちゃん、よそ見しちゃダメだよ俺という彼氏がいるんだから」


「遊星、まじで勾玉返してもらっていい?」

「それとも昨日の踏切のところまで連れてってあげようか?」


「なんでそんなに急に冷たくするんだよ」


「冗談だよ・・・」

「勾玉返さなくていいよ?・・・ほんとにヘタレだね、流星は」


つづく。



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