第19話
夕方、リビングのソファに座るあかりと百合。外は柔らかい夕焼けに染まっていて、窓から心地よい風が入ってくる。百合花はリビングの床で遊んでいるが、いつもと違う静かな表情をしている。二人はそれを温かく見守りながら、時折視線を交わしている。
あかり 「百合花、今日は静かに遊んでるね。何を考えてるのかな?」
百合 (微笑みながら)「きっといろいろ感じているんだよ。最近、表情が豊かになってきたし。」
あかり 「そうだね、毎日少しずつ成長しているのがわかるよね。」
百合花はその言葉に反応したかのように、ふと二人を見上げる。そして、ゆっくりとおもちゃを手から離して立ち上がると、二人の方に歩いてくる。
百合 「どうしたの?百合花。」
百合花は少し考えるように二人を見つめた後、小さな声で言葉を発する。
百合花 「ママ…」
その瞬間、あかりと百合は驚いた表情を見せ、すぐに微笑みが溢れる。
あかり (涙ぐみながら)「今、初めて『ママ』って…!」
百合 (優しく手を差し伸べて)「百合花、すごいね!言葉が話せるようになったんだね。」
百合花はそのまま百合の手を取り、もう一度「ママ」と言う。そして今度はあかりの方を見て、同じように小さな声で「ママ」と繰り返す。
あかり (感動しながら)「ありがとう、百合花。ママたち、とっても嬉しいよ。」
百合花はそのまま二人の間に入り、両手を差し出して抱っこを求める。あかりと百合は同時に抱きしめ、三人で温かい抱擁を交わす。
その後、リビングのソファに座って
あかりと百合はソファに座り、百合花を膝の上に乗せている。彼女はもう一度「ママ」と言い、嬉しそうに二人を見上げる。
百合 「本当にすごいね、初めての言葉が『ママ』だなんて。」
あかり 「うん、それだけ私たちのことを見てくれているってことなんだね。」
百合 「これからどんどん言葉を覚えて、もっといろんなことを話せるようになるのかな。」
あかり 「楽しみだね。百合花がどんなふうに成長していくのか、これからも一緒に見守っていこうね。」
百合 (そっと手を取り)「うん、私たち三人で、これからも一緒に。」
二人は百合花を優しく見つめながら、家族としての新しい一歩を感じ取っていた。窓の外には夕焼けがまだ広がり、穏やかな時間が流れていく。
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