第13話

百合は手紙を読んだ後、心の中で様々な感情が交錯していた。あかりの気持ちに応えたい気持ちが強い一方で、自分の気持ちがどうであるのか、今一度確認する必要があると感じていた。


数日後、百合は静かなカフェであかりと会う約束をしていた。彼女は一杯のコーヒーを前にして、気持ちを整理しながら、あかりの到着を待っていた。


ドアが開き、あかりが入ってきた。彼女の顔に少しの緊張が見えるが、目には希望が輝いている。百合は手を挙げて彼女を招き入れ、二人はテーブルに座った。


「こんにちは、百合さん」とあかりが微笑みながら言う。


「こんにちは、あかりさん」と百合は返し、少し照れくさい笑顔を浮かべた。二人の間に静かな空気が流れ、百合は胸の内に溜まった思いをどう伝えるかを考えながら、ゆっくりと話し始めた。


「あかりさん、手紙、ありがとう。とても素敵な気持ちが込められていて、すごく嬉しかったです」と百合は言った。あかりの目が少し潤んでいるのを見て、百合の気持ちも高まる。


「私も、あなたのことを大切に思っているけれど、自分の気持ちを正直に言うと、今はお互いにとってベストな選択が何かをもう少し考えたいと思っています」と百合は続けた。「私たちがもっとお互いを理解し合うために、少し時間をもらえたらと思います。」


あかりはその言葉を聞き、少し驚いたような表情を見せたが、すぐに理解した。彼女は深く頷き、穏やかに微笑んだ。


「わかりました、百合さん。無理に急がせるつもりはありません。私も時間をかけて、お互いにもっと理解し合えるように努力します」とあかりは言った。


二人は、その後もカフェでしばらくおしゃべりをし、心地よい時間を過ごした。百合はあかりと過ごす時間が、彼女にとって大切なものになりつつあることを感じていた。


別れ際、百合は少し考えた後、あかりに優しく微笑みかけた。「これからもよろしくお願いします。」


あかりはにっこりと笑い返し、「こちらこそ、よろしくお願いします」と答えた。


カフェを後にした百合は、心が晴れやかになっているのを感じた。未来に向けての一歩を踏み出す勇気をもらったような気がして、希望を抱きながら帰路についた。

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