『熱死〰️〰️』 🦕

やましん(テンパー)

『熱死〰️〰️』

 

 『これは、時候のご挨拶を兼ねた、フィクションです。』




 英国、ネス湖の謎の巨大生物は、『ネッシー』と呼ばれたが、どうしても、なかなか、その正体が分からなかった。


 太古の恐竜が生き残った説が有名である。流木説や、船の航跡説などもあるし、その合体かもしれないが、とうてい、そういうのは、納得なんかしたくない人々もいた。


 『実在しないとしたら、わからなくて当然だ。』


 門外漢の荒川放水博士は、まだ、フランスに留学する前の、青ジソかな子に言った。


 『いないものを探したって、見つかるわけがない。』


 『ろまんす、です。せんせ! 愛なのです。』


 『学問にロマンす、はいらん。愛など不毛だ。』


 『ま、せんせは、独身ですし。でも、あの、先生の幽霊コンピューターは、なんですか?』


 『学問に他ならない。わたしの理論は、世間など、はるかに、超越しているのだ。しかし、世間は認めようとしない。それは、あきらかに、屈辱である。オカルト博士などと、呼びおって。学会から追放し、収入の道さえ絶とうとした。けしからん。多少、荒っぽいやり方も仕方がない。』


 『でも、やまーしん大学は雇った。捨てる神あれば拾う神あり。』


 『最低賃金だがな。学生も今一だ。』


 『自分の学生に向かってよく言えますね。』


 『きみこそ、師匠に口ごたえするな。』


 『ファシスト博士!』


 『ありがとう。非難こそ、わが、命。』


 まあ、しかし、このふたりは、うまがあったのである。


 その1週間後、ふたりは、あるプロジェクトを、無許可にて実行したのである。


 場所は、諏根湖である。


 真っ昼間であった。


 観光客も多数いた。


 そこに、突如、体長10メートルの、大恐竜が現れたのである。


 『はろー、あいあむ、スネッシー。あいはぶ、グレートマネー。あいむ、りっち。れっつプレイ。ウォーシップみー。あすく、あんど、ゆー、しゃーる、れしーぶ。いんぱーま念す。あ、くりかえします。…………』


 『なんですか? この、言葉は?』


 『ま。英語が分からない、作者のひがみだな。恐竜が言うんだから、多少の変はご容赦ください。』


 『しかし、みごとに、出現しましたね。しかも、完全立体。物質化している。ネオ・スペース・エクトプラズマの効果ですね。』


 『まあな、しかし、まだ、弱点がある。』


 『なんでしょう?』


 『暑さに弱いんだ。38℃越えると、消えるんだ。』


 『熱死〰️〰️、ですか。』


 『さよう。まもなく、到達しそうだ。いやな、夏だな。まったく、どうなってる? だれの責任なんだ? こっちが、熱死〰️〰️するぞ。』



      🙇🙇🙇


 


 


 


 

 


 


 


 

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『熱死〰️〰️』 🦕 やましん(テンパー) @yamashin-2

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