15 ランダム採取
薬草を採取するために葉アイコンを探す。
ウサギのモンスターがいる先に見えるのがそうかな。
ウサギのモンスターの脇を通り抜けて近づく。
ウサギのモンスターは私を気にすることはなく、のんびりとその場に生えている草を食べていた。
本当に攻撃しないと戦闘にならないんだね。
このウサギが門番が言っていたグラスラビットなのかな。
見た目は普通の白ウサギで、特徴は耳の先が緑になっているくらい。
正直あんまりモンスターって感じがしない。
葉アイコンに近づくと採取ウィンドウが出てきた。
まだアイコンは1~2m先なのに意外と採取エリアって広いんだね。
ということは、ちょっと離れたところにいるあのプレイヤーさんも採取しているんだろう。
詳細にわざわざ採取ウィンドウの設定変更について説明があったのが不思議だったけど、確かにこれなら邪魔に思う人もいるかもしれない。
採取ウィンドウを押そうとして、武器を持ったままなことに気づく。
すぐ近くを通っても安全だったし、これなら説明通り急に襲われることもないだろう。
採取ウィンドウを触るのに邪魔だから《初心者用サバイバルナイフ》を仕舞う。
さて、初めての採取だ!
ドキドキしながら『採取する』を選択!
双葉マークの周りに円状の進歩バーと『採取中』の文字が表示される。
何が採れるのかな……採れたのは《マジックミント》!
依頼の品だ。幸先いいね!
=『特殊クエスト チュートリアル⑥』を達成しました。=
さて、詳しく見てみよう。
1度インベントリを開き、今採れた《マジックミント》の詳細を見る。
ちなみにチュートリアルクエスト報酬は《初心者用HPポーション》《初心者用MPポーション》《初心者用SPポーション》が1つずつだった。
こっちの詳細を見るのは後にしょう。
閑話休題。
《マジックミント》
ランク:1
品質:★0.2
重量:0.05N
分類:素材(植物/薬草)
魔力を貯める性質の草。
効果:MP回復 0~1
CT:5分
えっ!どういう事?
品質が★1以下なんだけど、こういう事ってあるの?
うーん、試しにもう1度してみよう。
もしかしたら偶然これがハズレを引いちゃったのかもしれないし。
それに前お母さんが情報は多ければ多い方が良い、サンプルがあった方が比較できるから分かることが増えるよって言っていたし。
まぁお父さんは情報が多すぎると混乱するから、慣れてない私は真に受けすぎないようにって注意してたけれども。
というわけで何度か採取してみよう。
採れたのは《ヒールリーフ》が3個、《マジックミント》が最初のを入れて2個、《ヘルスハーブ》が5個。
ランクは全部1。
効果はそれぞれHP、MP、SPを0~1回復。CTって言うのも5分で同じだった。
問題の品質は★0.1~★0.4のものばかり。
どうしてなんだろう。
これが仕様とか?元々ゲームを始めてすぐは品質が★1以下になるように調整されてるとか。
でも、採取依頼は品質によって報酬が変わるって書いていたよね。
なら基準は★1とかキリの良い数字になっていると思う。
じゃあ採取系のスキルが必須でそれがないと品質が悪くなるとか?
確かに私が持っている採取系スキルの〈丹念〉は発動させてなかった。
でも、〈丹念〉の効果って確か品質がちょっと良くなる程度で、しかも使うとSPを使うからずっと使えるわけじゃない。
なのに薬屋でスキル構成を良いって褒められたんだよね。
必須の採取スキルがあればその時何か言われそう。
良くも悪くもあのヒトはそういう事を隠さないと思う。
そういえばあの時色々採取のアドバイス貰ったっけ。
そこにヒントがありそう。
そういえば”採取道具を使いなさい”って言っていたよな……。
もしかして今のやり方は採取道具を使わずに、素手で採ってるのかな。
とはいえ採取ウィンドウを押してるだけなのに、どうやって採取道具を使えって言うの?
仕舞っていた《初心者用サバイバルナイフ》を取り出す。
うーん、
考えても仕方がない、駄目で元々。せっかくだし試してみよう。
右手に《初心者用サバイバルナイフ》を持って、左手で『採取する』をタップ。
結果は……《マジックミント》の品質:★0.7!
やった!
さっきより品質が★0.5くらい上がった。
このやり方で採取道具を使ってるって判定になったんだね。
そういえば《初心者用サバイバルナイフ》の説明には”様々な用途に使えるが、専門の道具には及ばない”って書いてたね。
これって専門道具なら上がる品質がもっと高くなるって事かも。
さて、品質が上がったといえまだ★0.7。
納品する品質は★1以上を目標に採取してたら、結構な回数採取しないといけないね。
右手に刃物を持ったまま、ずっと採取するのはちょっと怖い。
普段現実でハサミとか包丁とか持ってるときは、持ってる右手に意識が集中してる。
でも今回は採取ウィンドウに意識が行ってるはずだから、ふとした拍子に落としてしまいそう。
こういうのって想像するだけでヒヤッとするんだよね。
ゲームだから平気、とかは私はなら無さそう。
……私って小心者なのかな。
というわけで座って採取しよう。
《サバイバルナイフ》を持った右手を膝に乗せる。
これなら危なくないでしょう。
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