第4話 ライラック
Saraと私は珍しくバーにいた。
さらに珍しくSaraは酔っていた。
「Tさん、絶対何か知ってますよね」それは、終業して書類を整理し研究員が順次帰宅するタイミングだった。その時Saraは近づき突然そう言った。
「情報が欲しいなら一杯付き合え」と一言言った。渋々了承したSaraだが飲み始めると愚痴や研究の不満をこぼし始めた。
少し驚いた、今までこんな姿を見たことがなかったからだ。だが、ふと思った、今までの生産施設で体を動かしたり動物に接したりすることがSaraそのものの人格を形成していたのだなと。
Saraは少し瞳を潤ませながら、「私のしたいことは……」といいかけたが言葉を濁す。
私は私観的な見解を述べることはしなかった。不満や愚痴はただただ聞いてあげることしかできなかった。
そして核心の今の研究の話が出て来たところで、初めて口を開いた。
その言葉にSaraは最初ショックを受けていたようだが、次第に現在の状況を理解し始め、顔がこわばる。だが、興奮せずに最後まで話を聞いた。しばしの沈黙があり、下を向き肩を震わせた。彼女は泣いていた。
それは彼女の故郷の星の消滅。Saraは胸の中に大きな穴が空いたような虚無感、そして友人などの最後を想像してしまう。「そんなことって、皆は無事に逃げているはず……」震える声が聞こえるが、それは私に話しかけているとは思えない。
優しい言葉をかけるしかない、普段ならなかなか考え使い言葉もSaraの震えを見ると、何も考えずにスッと言葉が出てくる。それを聞いてさらに嗚咽をこぼした。私の服を強く握り、そして胸に寄りかかった。優しく背中を撫でる事しか私には出来なかった。
自然だった、Saraは私の部屋にいた。
今まで意識などしたことはないし、魅力に感じたこともなかった。しかし、その秘匿レベルの情報や今日の様子を見て、今まで考えたこともなかったほどSaraの存在は大きくなっていた。
Saraの体は大人になっていた、少し薄暗くして服を脱ぎ2人は抱き合っていた。
大きくなっていた物を咥え、そして顔を見上げていった、この行動は方針違反じゃない? 見られているのよね。
「うん、まあある程度の謹慎と素行指数の低下くらいで許してくれるだろう」そう笑った。
「裁判にしてもいいかもね、証拠として大きく今の映像が流れて……」
「希望するなら俺はいいよ」2人で笑う。
手に収まる美しい形のおっぱいを揉み、口をつける。
「あ……」Saraの呼吸が耳に触れる。
2人は再び抱き合い、濡れ切っていた秘部に彼のものをゆっくりとインサートした。
Saraは痛みに驚いた、顔が歪む、それを見ていた私は動きをとめ、キスをした。顔全体にキスをゆっくりした後、また少し深く入れる。
顔の歪みが消え、淫美な香りが艶やかに部屋をおおう。もう一度首から耳、そして目、はな、口へとキスをして、きめの細かい丘陵を優しく揉んだ。ライラックのほのかな香りがした。その先端に口が移った時Saraは腰を動かす。
1度離してからゆっくり腰を動かす。
「あ、ああ」Saraは目を瞑り体の火照りに声を漏らす。
大きく濡れているそのところに、抱きしめて深く入れて徐々に動きが激しさを増した。
それに呼応するかのように声が大きくなる。
その顔は、まるで頭が蕩けるような快楽を生む、2人は抱き合いキスをした、深いキスを。
大きな声を出した時、キスが離れた。
それから動きは激しくなり、快楽に喘ぐ声も部屋に響く。
そして……頭の電気信号は脳内を真っ白にした。全身に快楽が包み込まれ痙攣に近い身震いをする。数秒だったが永遠かのように感じた。腰の動きがスローとなり、そして、キスをしてもう一度強く抱きしめた。
2人は顔を離すと笑い合った。そしてまたキスを繰り返した。
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