自殺屋さんは背中を押す

華創使梨

プロローグ

「僕たちの誰かが死んだって、必ず別の誰かが代わりにやってくれる。誰一人かけがえのない存在なんかじゃない。暗殺するに足りる政治家なんか居ない。レンガが一つ無くなったぐらいじゃ壁は壊れない。

 僕たちはひとりひとりが無力で、居ても居なくてもどうでもいい存在で、つまり命が軽いこと。これが死にたい気持ちを膨らます第2の要素」


 鶴見済氏著書、『完全自殺マニュアル』より、抜粋。

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