異世界コメディ〜!! 〜俺は魔王を倒したい!〜【仮】

架流さん

第1話 俺、転生先勝手に決められました。

「先輩危ないっ!」


ギギギギギッ

さ、柵がギシギシ言って…

バキッ


「きゃぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!」


ゴツンッ



というわけで俺は会社の屋上から落ちてあっけなく死んだ。享年34歳。

これからが人生本番だったのに…


それで、今は「無」にいる。

体の感覚もないし、目も見えないし、音も聞こえない。多分魂状態とかそんなんかなぁ。異世界転生モノとかだったら女神とかでてきそうなんだけど……そんなことは無いよねぇ。現実だもの。

前世では両親含めみんな悲しんでるかなぁ……。

暇だなぁ……暇すぎて気が狂いそうだ。

1人しりとりでもするかぁ。

「しりとり」、「リーダーシップ」、「プールサイド」、「ドーナ…」


急に光が目に飛び込んできた。そう、体が誕生してる。

というか、何だここは?誰だこの子は?


「はいっ!次の方!早くきてください!後ろもパンパンですよっ。」


「は、はいっ!すみません!」


つい謝ってしまうのは社畜日本人の悪い癖だ。

それにしても忙しないなぁ……

異世界転生モノならここが天国で、この少女が女神とかそんなんだと思うけど、本当にあるんだな。

この子は見た目十歳ぐらいの少女なのに、大企業の社長が使うような机に座ってる。なんか悔しい。俺が社畜だからか。


「あなたは…そうですね、元の世界ではゲームが好き、ということなので、魔王討伐系の世界へ転生でいいですね!近頃あの世界は送った数以上死んでいるので!」


はぁ、転生?というか魔王討伐?

というよりこの目の前のこの子のほうが気になる。


「あなた…は?」


「女神といえばわかりますかっ!というか早くそこの円の上に立ってください!あなたのあとに何人いると思ってるんですか!『人間』が数を増やしすぎたせいでこっちは死者を待たせないと時間が足りないんですよっ!」


すみません、人間を代表して謝ります。増えすぎてごめんなさい。

あと、自然破壊とかもしてしまってごめんなさい。俺一人のせいじゃないけど。


「赤子から始めるには、親の数が足りないので、記憶は残して、言葉はなんとなく日本語でわかるという状態でこのまま送り出しますから、がんばってくださいねっ!」


彼女は机の横においてある、ボタンがいっぱい付いている機械らしいものを押した。




そして勝手に決められたけど、俺は異世界に転生して、ワクワク・ドキドキの生活を始める。


―――――――つもりだったんだけどなぁ…

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