第39話
「…い!」
誰かの声が聞こえる。
「…なさい!」
少女に呼ばれているようだ。
「起きなさいってば!」
少女の声と共に横腹に痛みが走る。
どうやら蹴られたようだ。
「なんで天海がここにいんだよ!?てか痛え!」
状況をあまり理解できていない桐谷に天海は
「街が大変なのよ!ロボットみたいなのがいっぱい攻めてきてて!」
桐谷の目が一気に覚める。
時計を見ると午前6時30分を指している。
「朝っぱらからよくやるな!行くぞ天海!」
朝食を摂る暇もなく2人はドアを開ける。
ドアの向こうの光景に桐谷は絶句した。
「凄いことになってるでしょ…ここら辺が1番被害凄いらしいのよ。」
燃えていた。
比喩ではなく、本当に燃えていた。
火の粉がこちらにも飛んでくる。
ブオン
空気を切り裂く音が聞こえた。
神楽の瞬間移動の音だろう。
「神楽…?なんでここに!?」
神楽は桐谷の言葉を無視して言葉を放つ。
「元凶を見つけた。お前たちも来い。」
(やるしか…ない…街がこんなになってんだ…)
桐谷は覚悟を決めて
「連れて行ってくれ。天海はどうする?」
「もちろん行くわ。」
桐谷は頷く。
パチン
神楽が指を鳴らすと
周りは火の海になっていた。
瞬間移動したのだ。
(さっきまでここにいたはずだが…まあいい、まずは火をどうにかしねェとな。)
「火ィ消すから離れてろ。」
2人は神楽の言葉に従う。
神楽は空に手をかざす。
空には神楽を中心として水の塊が膨れ上がっていく。
パァン!
水の塊が北海道1個分の街に襲いかかる。
「鎮火完了っと…」
街の人間全員に
さすがは第1位、異能の使い方に慣れている。
「次はロボットみてェな奴か…」
(異能を使えるのはあと9分…3分で片付ければ…いけるか…?)
神楽は重大なことに気づいた。
被害を最小限にする。
つまり火力が高すぎてもダメ、低すぎてもダメということだ。
神楽は舌打ちをする。
(馬鹿みてェだな…俺。)
神楽は気づく。
3分も使わずに街に蔓延るロボットを葬る方法に。
「
パチン
神楽が指を鳴らす。
瞬間
街に居たロボット全てが空に瞬間移動していた。
「やれ、炎の魔人。」
炎の魔人は片手を突き出す。
轟!
掌から蒼い炎が噴出される。
超高温の炎を浴びたロボットは跡形もなく消え去った。
(敵に居なくて良かった…)
桐谷たちは心底そう思った。
「出てこい。」
神楽の鋭い声が耳に突き刺さる。
「バレてたか…」
物陰から出てきた少年は
改造人間
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