聖地巡礼?

たんぜべ なた。

カツ丼 野村 (岡山県岡山市)

 皆さんが『カツ丼』という言葉を聞くと、なにを思い浮かべるだろうか?

 カツ丼の主賓と言えば、『とんかつ』さんです。

 サクサクのパン粉に包まれたジュシーで肉厚な豚肉さんこそが『とんかつ』さんである。

『割り下』と言われる甘辛いタレと玉ねぎをしっかり煮立て、味を馴染ませた後、『とんかつ』さんを乗せ、ひと煮立ちしたところを卵で綴じる。

 そして、丼によそわれたご飯の上に、これらの食材を乗せることで『カツ丼』というお料理は完成を見る。

 お新香と味噌汁が添えられれば、それこそ皆さんの見慣れた『カツ丼』が完成するのであるが…。


 今回ご紹介する『カツ丼』はちょいと趣の異なる『カツ丼』であり、一度食せば病みつき間違い無しのお料理である。


 さて、『カツ丼』ということで主賓は『とんかつ』さん一択である。

 しかし、此処から先はモノが違う!


 カツ丼を乗せるご飯には、2cm角に刻まれたボイルキャベツが混ぜ込まれ、その上に『とんかつ』さんが登場します。

 そうなんです、卵で綴じなければ、煮汁も使わないのです。

 それらの代わりとなるものが、『ドミグラスソース』である。

『ドミグラスソース』がピンとこない人は、ハヤシライスのもう少し濃い味版と思えば良い。

『とんかつ』さんの上に注がれるトマトベースの赤みを帯びた茶色のソース。

 その上に、グリーンピースが乗れば、いよいよ『野村』のカツ丼が誕生する。

 お供はお新香と味噌汁と、あくまでもカツ丼の本堂を貫くこだわりがあるものの、件の『カツ丼』は洋風色の強い『カツ丼』である。


 一口、カツ丼を口に含めば、サックリ衣に、肉汁あふれる豚肉。

 これらをまとめ上げるのが、『ドミグラスソース』の酸味の効いた独特の味わい。

 ボイルキャベツがご飯の甘さと相まって、食欲をさらにそそるのである。


 ささ、岡山に来たならば、この『カツ丼』を食されることを切望する!

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