なぞなぞ 1人台本(不問1)
サイ
第1話
光がさして
私はおどりを踊り始める
やさしい音楽は、聴く人の頬を優しく撫でて
ささやかな幸せを運ぶだろう
しかしあなたは
私を見てはくれない
私はあなたに笑顔になって欲しくて
精一杯おどりを踊っているのに
あなたはいつも、どこを見ているというの
私を見ているようで、私の後ろを見ているようで
私がどんなふうに踊っていたかなんて
きっとあなたの記憶には残っていないのでしょう
あなたが欲しいのはいつだって音楽
私って必要なの?
あなたがこうして音楽を聴きに来るたび
私はおどりを踊らなければならない
たとえ私が疲れ果てても
たとえ私の足が折れても
あなたが聴いている間
私は踊り続けなければならない
狂ったように
延々と
延々と
これは呪い
あなたが
あなたが聴きに来るから
あなたが聴いているから
あなたが
あなたが
あなたが
あなたが箱を開くから
なぞなぞ 1人台本(不問1) サイ @tailed-tit
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