俺の事が大好きな幼なじみが義理の妹になった。え、夏休み中は家に二人っきりってマジですか!?

空豆 空(そらまめくう)

第1話 「起きないと……キスしちゃうよ?」

★この作品は音声化コンテスト用作品のため、ヒロインの一人語りの台本形式です。

読みづらいなと思った方は、セリフのみを追いかけてもらえたら少し読みやすいかもです。

ぜひ、可愛い義妹『ひまり』に甘えられる主人公になった気持ちで読んでみてください。


――――――――――――――――――――――

※主人公の部屋


//SE 遠くでスズメの鳴き声

//SE コンコンとドアをノックする音


「おにいちゃーん、朝だよー」//ドアの向こうから


「んー。返事がない。まだ寝てるのかなぁ。せっかく張り切って朝ごはん作ったのに」//独り言のように


「んー、いいや。起こしちゃおーっと!」//思いついたように


//SE 再びノックの音

「おにいちゃん、入るよー?」


//SE ガチャっと扉が開く音

//SE 義理の妹ひまりが部屋の中に入って来る音


//SE トントンと布団の上から身体を優しく叩く音

「おにーいちゃーんっ。ねぇ、朝だよ。おーきてー」//顔の近くで、声のトーンを抑えつつ可愛い感じで


「あーさーだーよー?」


//SE ゆっくりとカーテンを開ける音


「……っもう、おにいちゃんったら。ぜんっぜん起きないじゃん」


「…………可愛い寝顔。子供の頃のまんま。うぅ、好き」//主人公の顔の傍で。独り言を呟くように


「……それにしても夢みたいだなぁ。子供の頃から大好きだった人と同じ家で暮らせるようになるなんて。へへへっ。パパにゆかりさんとの再婚を勧めた甲斐があるっ」//嬉しそうに


//演技依頼 頬を優しくツンツンと触る


「おにーいちゃーん。ねぇ、おーきて」//優しく


「起きないと……キスしちゃうよ?」//耳元で囁き声。冗談ぽく。


「あ、起きちゃった。残念」


「あ、ごめんごめん、なんでもない。おにいちゃん、おはよ。起きた?」


「え? うそ。今日はバイトないから起きる必要なかったの? えー。せっかく今日からおにいちゃんと二人きりだと思って張り切って朝ごはん作ったのに」


「……あれ? 忘れちゃった? 私は今日から夏休みで、パパとゆかりさんは新婚旅行に行っちゃったから、今日から1ヵ月この家にはおにいちゃんと私の二人きりだよ?」


「あー。なによぉ。そんなに頭抱えて困らないでよ。こんな可愛い義妹いもうとと二人きりなんて、嬉しくないの? もっと喜んでくれてもいいのにぃ」//拗ねるように


「え? 可愛いって自分で言うな? えー。子供の頃引っ込み思案だった私に、『ひまりは可愛いからもっと自分に自信持て』って励ましてくれたのはおにいちゃんじゃんー。あの言葉のおかげで今の私があるんだよ?」


「……それとも、子供じゃなくなった私は、もう可愛くない?」


「あー。なによ、また子供扱いしてー。そりゃあ、おにいちゃんより年下の私はおにいちゃんから見たら子供っぽいかもしれないけどぉ。私だってもう高校生だよ? あと数年もしたら法的にも大人じゃん!」


「……むぅー。確かにまだ法的にも子供だけどぉ。……おにいちゃんのバカ! いじわるっ!! せっかくおにいちゃんのために頑張って朝ごはん作ったのにっ」


//SE バサッと主人公が布団から出る音

//SE トントントンと主人公が部屋から出て行く足音


「ちょ、ちょっと待ってよおにいちゃん! ……怒っちゃった?」//不安そうに追いかけながら


//SE 足音が止まる (主人公が立ち止まってひまりに話しかけている)


「え? 朝ごはん冷める前にさっさと食べるぞ?」


「……もぅ。そういうところだよ。ぶっきら棒に見えて実は優しいんだから……」


//SE 主人公が部屋から出て行く音


「だから……ずーっと好きなままなんだよ、おにいちゃんのこと」//部屋に残されて独り言っぽく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る