千葉ロッテラビッツの金崎さん

5月17日  千葉ロッテラビッズ


スタメンで3番 ショートと呼ばれた。

今日のスタメンは

1番 榎本 セカンド

2番 宮島 サード

3番 柊  ショート

4番 笹野  レフト

5番 小久保 センター

6番 村上  ライト

7番 松宮  ファースト

8番 伊藤  キャッチャー

9番 相川  ピッチャー


今日は同期で入った村上がスタメンに入っている。

村上は外野争いでスタメンに入ったり入らなかったりしている。

今日は能登がスタメンから外れている。


「柊、俺の後を打つなら、ヒット打ってこいよ」宮島さんが言った。

「宮島さんが出塁したらがんばります」僕は答えた。

「最近、バッティングがよくなってきたけど、2番はないよな」

「2番ってバントしないといけないし、宮島さん足そんな速くないですよね」

「そうなんだよな、6番だったら楽だったけど」

宮島さんが愚痴を言った。


今日の試合が始まる。プレイボールと審判が言って

僕はベンチで攻撃の準備をしている。

1回表、横浜ゴールデンウルフズの攻撃

この回に自分の打席が回るので頭の中でイメージをする。


相手ピッチャーは、庭野

そして相手のスタメンには今年のドラフト1位の金崎 直樹がいる。

俺が社会人野球にいた時に注目されていた選手だ。

ドラフト前は大型ルーキーが入ると言われていたが

高校野球通算ホームラン120本の前田 幸一郎

甲子園優勝投手 香川 浩一が注目されてドラフトで競合にならなく

1本取りとなった。ドラフト1位だからって活躍するとは限らない。

今日はより気合が入った。


2アウトランナーなしで打席が回ってくる。

右打席に入って構えた。

1球目アウトコースのストレートを見逃す。

2球目アウトコースのスライダーを見逃して2ストライク

ここでタイムを取って次の球を予想する。

3球連続でアウトコースに投げるより、インコースに来るだろうと

少しインコースを意識して打席にたつ。

しかし3球目はアウトコースのストレートで手が出ずに見逃し三振となった。

ベンチに戻って守備に備える。


相手側の攻撃

1回裏

1アウト1塁で金崎に打席が回ってきた。

右打席に立つ。

社会人野球の時と同じフォームで振っていた。

1球目、145kmインコースのストレートを見逃して1ストライク

2球目 フォークボールで落とすが当てにいってファウル

3球目 インコースのスライダーを上手くあわせて三遊間にゴロで転がる。

打球が速かったので何とか飛びついたがグラブに届かずに抜けていった。

1アウト1,2塁となった。

社会人野球で注目されていた金崎はプロに入っても打撃能力が健在であった

それから、点を取られずに抑えて3アウトとなった。


3回表の攻撃

1アウト2塁からチャンスで自分に回ってきた。

2塁ランナーは宮島さん。2ベースヒットを打って2塁に行った。

1球目、フォークボールを引っかけて3塁側に転がるが

打球が弱くて、3塁手が前に出てくる、何とかセーフになろうと全力で

走って1塁ベースを駆け抜けた後、審判がセーフをジャッジした。

僕はホットして1塁ベースに向かって歩いていきプロテクターを外す。

これで、1アウト1、3塁となった。

それから1点先制して3アウトチェンジとなった。


3回裏の守備

1アウトランナー無しで金崎に打席が回る。

右打席に金崎が立つ。

先ほど三遊間を抜かれてしまったので守備位置を少しサード側に変えた。

1球目、145kmのストレートを引っ張ったがレフト線を切れた。

2球目 フォークボールを上手く合わせてセンター前ヒットとなった。

今日は金崎は2安打。

自分も負けてられないなと思った。


攻撃の時宮島さんに声をかけられた。

「おう、今日もヒット打ってるじゃないか」宮島さんが言った。

「宮島さんが出塁しているときは打てと言われたので出塁しましたよ」

「連打を打つと点が入りやすいからな。ヒットの内容は内野安打だったけど

ヒットはヒットだから自信をもて」宮島さんが言った。

「今日は負けられないんですよ。ドラフト1位の金崎って知ってますか」

「ああ、金崎か。いい選手だよな、もうじき1軍にいくんじゃないか」

「やっぱり1軍に行ける力持ってますか」僕は言った。

「うんそう思う。」宮島さんが言った。


6回表 

ノーアウトランナー無しで打席が回ってきた。

初球 高めのつり球を見逃して1ボール

続けて、2球ストライクを取られてしまい

1ボール2ストライクとなった。

4球目高めのボールに手を出して芯をとらえるが

センター正面でアウトとなった。

これで3アウトチェンジ


ベンチに戻ると

「悪くなかったぞ。後は飛距離だけだ」宮島さんに言われた。

 宮島さんはサードをしていて、27歳と年齢は若くない。

昨年の2軍での成績は265

1軍のサードにレギュラーの橋本さんがいるので

たまに一軍で代打ででたりしている

「あたりが良すぎると取られちゃいますよね」僕が言った。

「まあ、そういう時もある」宮島さんが言った。


6回裏

1アウトランナー無しで金崎に回ってきた。

ここまで2打数2安打と売っている。

ピッチャーは相川

1球目シンカーを空振りをして1ストライク

2球目同じ場所にシンカーを投げてファウル

3球目高めのストレートを引っ張って打ったがレフトフライ

アウトとなった。


9回に自分の打席が回ってきたが凡退をして

金崎は8回にヒットを打っていた。

試合は5対6で負けた。


自分の今日の成績は4打数1安打

合計 123打数31安打 252 6打点


ドラ1の金崎の成績は

4打数 3安打

合計 155打数 45安打 290 8打点


自分と比べものにならないなと思った。

球場を出ようとすると、金崎に声をかけられた。

僕はびっくりして金崎を見る。

なぜなら、僕は金崎と会ったことはあるがあいさつ程度であまり話したことはない。


「柊さんですよね。今日はいい試合でした」金崎が言った。

「いえいえ、金崎さんとまた戦えて光栄です」僕は言った。

「柊さんがプロに入ってくれてうれしかったですよ。バッティングセンスがあるなと思って、いつも見てました。」

「金崎さんに言われるなんてうれしいです。1軍いつ行くんですか。」

「まだ言われてないんですけど、2軍監督から準備しておけって言われてまして」

「社会人野球でも活躍していたので1軍でも大丈夫ですよ。別格でしたし」

「そういわれると自信になるな。けどやっぱりプロの球は速い。

初めて柊さんを見たとき、ライバルになるかもと思ったんですよ。都市対抗野球で

サヨナラホームラン打ったりして勝負強いし、守備も上手い。」

「そうなんですか。僕はまだまだなので、1軍に行ったらまた戦いましょう」僕は言った。


まさか金崎さんにほめてもらえるとは思ってなかった。

社会人野球ではいちおう知られていたがライバルにはほど遠いと思っていた。

自分の社会人野球の打率は確かに高かったが

金崎さんのopsはぶっちぎり1位だった。

僕は評価されてドラ2に入ったけど。プロでドラフトにかかる自信がなくて

下位に選ばれればいいと思っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る