第5話

2024年10月26日

ドラフト会議当日


僕は、大友ガスさんが用意してくれた記者会見の席に座ってドラフト会議の行方を待っていた。家族も別の部屋で待機している。


僕の家族はお父さんが、阪神フェニックスのファンでものすごく野球に詳しい。息子がドラフト会議で選ばれるかもしれないとなってそわそわしているようだ。


父は昔、甲子園に出ていたようだ。


母は、「だめだったら、違う道に行きましょう。」

と僕が、ドラフトで選ばれなくてプロ野球選手になれなくて泣き崩れないように、そっと違う道もあるよと伝えたのだろう。


しかし、僕には覚悟ができている。一世一代のドラフト会議。


プロ野球選手になるんだ。と僕は言い聞かせながら、会見席について、ドラフト会議を見ていた。


監督や、チームメイトも来ている。監督は大丈夫だ選ばれると心配しないでも大丈夫だと俺に言い聞かせる。


チームメイトも不安やわくわくがあるようだ。マスコミ関係者もこの大友ガスに来ている。



「ただいまより、ドラフト会議2024を始めます。」


「ドラフト1巡目希望選択をしてください」


各球団が、ドラフト1巡目を書いている、今年の注目選手は、


甲子園優勝投手の、香川。高校野球公式戦ホームラン1位の前田。公式戦の打率5割越えの湯川。社会人野球の球速155kmのNO1の堂林。社会人打率3割7分の金崎。身長195センチの大学生ピッチャー沢村とたくさんいる。


「ドラフト第一巡目、中日キャットファイアーズ1位指名

香川 浩一」


おー、やっぱり、153km右腕は取ってくるか


「東京モモンガーズ1位指名 前田 幸一郎」



「広島ライオンズ 1位指名 前田 幸一郎」

またか、

「東北バイソンズ 1位指名 前田 幸一郎」


「福岡チーターズ 一位指名 湯川 直人」


「横浜DeNAゴールデンウルフズ 一位指名 前田 幸一郎」


「埼玉西部ジャッカルズ 一位指名 香川 浩一」

「読売ガゼルーズ 一位指名 堂林 博」


「千葉ロッテ ラビッズ 一位指名 金崎 直樹」


「北海道日本ワイルドボアーズ 一位指名 沢村 直樹」


「阪神フェニックス 一位指名 堂林 博」


一巡目が終わって、注目選手ばかりの選出になった。


自分は上位に入りたいが、可能性としては下位指名だろう。


1巡目のはずれ1位が選出されて、2巡目に入る。

どんどん、名前が呼ばれて行き、


「横浜DeNAゴールデンウルフズ 2位指名 柊 優馬」

会場がドカッと歓声があがった。


まさか、2位指名されると思っておらず、びっくりして、嬉しさがこみあげた。


下位指名だと思ったのに、まさかの上位指名に歓喜した。

監督はうんうんと、わかってましたというようにうなずいていた。


記者会見が行われて、僕は受け答えをする。

「まずは、指名おめでとうございます」と記者が言った。


「ありがとうございます、えっと、まさかこんな上位指名されると思わず指名されてほっとしています」


「横浜DeNAゴールデンウルフズに指名されましたね。

プロ野球選手になって何を目標としますか」


「まずは、一軍に入ることですね。そっからの目標は後からですかね」


「ご家族にはなんと言いたいですか?」

「やっと夢が叶いました、いままで、応援してくれてありがとう」


「プロ野球選手になってもがんばってください」

とアナウンサーがいい、拍手で会見を終えた。


チームメイト達に、わっしょい、わっしょいと胴上げをされながら、みんなで楽しんだ。


監督にもあいさつをして、「横浜DeNAゴールデンウルフズで良かったな、ショートのライバルベテランだけだ、ちゃんと勝ってこいよ」と監督は僕が進んだ先のことをみこしてそう言った。


「はい、頑張ってきます」と僕はそういった。


「やっぱり、ドラフトされると思ったよ、あんだけ才能がありゃどこまでもいけるさ」と遠藤が言った。


「いやー。これで自慢できるね。チームメイトでプロ野球選手になった人がいるって」小笠原さんが言った。


チームメイトと別れた後、家族のもとに行った。

「いや、上位指名されてよかったね。あんだけ打ち込んできたんだもん」お母さんがいう

「まあね、夢が叶ってよかったよ」と僕は言った。


「せめて、阪神フェニックスが良かったけど、まあ、プロ野球選手がいるだけでうれしいもんだな」と父親が言った。

こうやって親孝行できるだけでよかったと思った。

僕は家に帰っていい夢を見ながら寝た。

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