第6話 VSアサシン
「確かに、お前のトラックは飛んでもないな」
「飛んだけどな」
「だが、運が悪かったな。俺との相性は最悪だと言っていい」
「どうしてだ?」
「俺はアジリティ特化型。加えてスキル思考加速に超加速も持っている」
「スマンが何を言ってるのかサッパリ解らん」
「つまり、ただ突っ込むしか能の無いお前の攻撃は俺には通用しないと言うことさ。どんな攻撃も当たらなければどうと言うことはない」
「つまり俺様の攻撃をかわす自信があるってことか……でも良いのか? 俺様はさっき不必要に情報を漏らすもんじゃねぇと学んだぜ?」
「なぁに、これから始末すればいい」
その瞬間アサシンの姿は消え、運の首筋を斬りつけ、更にその先に停止した。
「悪いが俺はアサシン、攻撃予告なんかしねーんだよ」
アサシンの決め台詞の後になって運は体勢を崩し後ろに倒れた。
「決まったね〜、塁!」
「喜んでんじゃねーぞ、あいり。俺達は春斗を失ったんだ」
「あ……ゴメン」
「久々に見るヤベー奴だった。初心者のうちに対処出来から……運が良かっただけだ」
「そう、だよね……にしてもクオン! あんた、春斗がこんなことになったのに何もしない訳!? あんたヒーラーでしょ?」
「え、あ、でも、私、一体何が起きたのかもまだ……?」
「ほんとトロ臭いんだから……ほら、春斗の肉片とか集めて蘇生できないの!?」
「そ、そんなこと無理です。死んだ人を蘇らせるだなんて不可能です」
「ホンット使えないわね〜」
「ご、ごめんなさい」
「あいり、それくらいにしておけ。それより早くそいつの首を落として……なっ!?」
倒れた運に目をやったアサシンは一瞬にしてその場から距離を取った。
「痛ぇ……。死ぬかと思った」
「お前、何故死なない!? 確実に首をやったはずだ!」
アサシンは再びダガーを構えた。
「そ、そうか。春斗を倒してレベルが上がったせいか……首の皮一枚ってやつだな?」
「知らねえよそんなの……だが、流石に不意打ちは効いたな。勉強になるぜ、色々」
「何言ってやがる、次は確実に殺るぜ」
「いや、次は俺様のターンだ」
「馬鹿かお前は。単なる高速の突撃なんざ、とっくに見切ってんだよ、こっちは」
「じゃ、やってやる。こっちも予告はしねーぞ、っと!」
瞬間、出現と同時に高速で飛び出すトラック。
「速い! が甘い!」
アサシンは加速された思考と動作で間一髪トラックの突撃をかわした。
「思ったとおりだ、俺なら攻撃をかわせ……」
アサシンが油断した次の瞬間だった。加速されたアサシンの思考は背後から来る衝撃を感じ取っていた。
「ば、馬鹿な! 何故トラックが俺の背後から!?」
「スキル自由旋回。かわされた瞬間に即反転しただけだ。名付けて……ツバメ返し」
「ト、トラックでツバメ返しだとおおお!?」
それがアサシン最期の言葉となった。
「え?」
魔法使いは目を丸くした。
「はは、アサシンのくせに背後取られたら終わりだな」
「な、何!? 何がどうなったのよー!」
叫ぶ魔法使いに運はニヤリと微笑みかけた。
「アサシンはさァ……死んだ」
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