詩集5 / 古い断片

@PINEAPPLEPP

死王

永遠の亡者の国


すべての亡者を従える骸の王に


日夜忠心を尽くす女が居た。


人に捨てられた幼子は


戦乱の夜に亡者の国へと拐かされ


千年に一度の王妃として


大切に育てられた。


彼女の眼に復讐の色は無い。


ひんやりした月夜の下


彼女は骸に手を添え


白い骨の感触に恍惚と浸る。

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