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 八月二十八日。


 ちなみにとっての、高校二年生の二学期がはじまった。今は体育館での始業式しぎょうしきを終え、教室で担任がくるのを待っているところだ。


 あの事件からずっと、イリスは各所との調整ちょうせいいそがしくしているらしい。なんでも、ゲシュタルト機関とロズウェル社の双方そうほうが共同でリーヴヘイムを再建さいけんする計画をたてているとのことだ。ちなみと小鈴は関わっていないけれど、話を聞く限りかなり大きなプロジェクトになっているみたいだった。


「それよりさ、聞いたか?」


 ちなみの席に遊びにきていた鈴木すずき和歌わかが言った。


「なんのこと?」


「なんか転校生が来るらしいよ」


「え、そーなの!?」


 ちなみが言うと、和歌は「そうなんだよ」とうなずいた。


「なんでも、その転校生は外国人らしくて――」


 彼女がそこまで言ったとき、がらりと扉を開ける音がして、担任が教室に入ってきた。和歌は「きたぞ」と言いつつ自分の席に戻っていった。


「よし、みんな席につけ。ホームルームをはじめる前に、まずは転校生を紹介する」


 その言葉に、教室がざわついた。なぜだかほとんどの女子がわくわく顔だ。


「さあ、入ってきて」


 担任に言われて、転校生が教室に入ってきた。


 ちなみはその人物を見て、あんぐりと口をあけた。なぜなら、その転校生――金髪きんぱつ碧眼へきがん柔和にゅうわな顔をした外国人は、どう見ても知り合いの男の子だったからだ。


 彼は緊張きんちょうした様子で、流暢りゅうちょうな日本語で自己紹介した。


「レオンハルト・フェルゼンシュタインです。よろしくお願いします!」



〈第二部『異方都市旅行JK』 おわり〉

ノート:https://kakuyomu.jp/users/kopaka/news/16818622170502509733

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