第3話〘子犬のような1年生〙

寮室の窓から届く太陽の光

椿「おはようございます」

私以外誰もいない部屋でそう呟く

クローゼットに入っている制服に手を伸ばし

身につける、、3年生として相応しい着こなしをし後輩の手本となる。

ーーーーーーーーーーーーー

ガヤガヤと騒がしい寮の広場

椿「おはようございます。」

「椿様!おはようございます!!」

今日もいつもの日を過ごす。

??「うわぁぁぁぁ」

遠くから急がしそうに走ってくる少女

椿「こら、そんな走った、、」

ドンッ

椿「はぁ、大丈夫?」

少女に手を差し伸べ

??「大丈夫です!!ごめんなさい!!」

椿「大丈夫なら良かった。」

??「すみません」

茶髪のツインテール

子供のような容姿

椿「貴女、ちょっといいかしら?」

??「え?あ、、はい!!そのほんとうにすみ」

シュッ

椿「リボンが乱れているわよ。これでいいわ。」

??「ありがとうございます!!!!」

椿「本校の生徒として身だしなみは気をつけること、急いでいるからと走ってはいけないこと。」

??「わ、わかりました!!」

椿「えぇ。」

??「なんか、お姉さんみたいですね。」

椿「え?」

お姉さん?私が?

私は、ただ先輩として


⁇「あ、申し遅れました!!えーと1年生の春幸はるゆきくのと言います!」

椿「くのさんね。」

くの「はい!この恩はお返ししますので!」

椿「恩だなんて、、大袈裟よ。」

くの「わ、分かりました、、でも!」

椿「その、気持ちだけでも充分よ。」

はぁと困惑を見せるくのと名乗る少女

ここでの立ち話をこれ以上長続きさせるのは

椿「私はこれで失礼するわね。」

くの「あ、はい!ありがとうございました!」

椿「えぇ」

ーーーーーーー

鈴音「つーばーきー様!」

ドンッと私に突進してくる鈴音

椿「鈴音!いい加減突進してくるのやめて。」

鈴音「えぇー」

椿「それに、人目が多いところで」

鈴音「なんか面白そうだったもん」

椿「面白いことなんかなにもないわよ。」

鈴音「さっきの1年生」

椿「それがどうしたの?」

鈴音「いやぁ、」

周りを見渡す鈴音

何事と耳を周りに向ける

「あの子、椿様とどういったご関係なのかしら」

「まさか、、だったりして」

え?

なんで、、

鈴音「ってなってるけど?実際は?」

椿「何を言っているの!!妹なんているわけないでしょ!」

鈴音「、、、、そか、、別にいいけど、」

それだけ言い鈴音はその場から去っていった

なんなのよ。鈴音は

私が姉妹なんて

ーーーーーーーーーー

セツ「いいんっすか?あれで」

鈴音「姉妹関係は強制するものではないからね」

セツ「そうっすけど、、くのちゃんを椿先輩にって言い出したのは姉さんじゃないですか、、それなのに」

鈴音「今は無理でもいつかは」

セツ「それに、くのちゃんにも選ぶ権利が」

鈴音「そうね、それも含めていつか」

セツ「姉さんってほんと強引っすよね。」

鈴音「そうかな?」

セツ「そうっすよ。先輩方になにがあったのかさっぱりわからないですけどくのちゃんのことも考えてくださいよ。」

鈴音「分かってるよ。」

鈴音「あ、セツ、あれ」

セツ「、、青い鳥?」

鈴音「セツは青い鳥に込められた言葉を知っているかしら?」

セツ「鳥に意味なんてあるんっすか?」

鈴音「を呼ぶ青い鳥」

セツ「、、、、」

鈴音「ふたりにぴったりだと思わない?」

セツ「そう、、っすかね?」

鈴音「なんとなくね」

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