第2話〘姉妹である理由〙

『自分の妹探したら?』

姉妹なんてなにも意味を成さない。

夜、敷地内にある庭園と足を運ぶ。

………

ーーーーーーーーーーー

??「こら、そんなはしゃいだらだめよ。」

?「こんなきれいなお花畑を見たらつい」

??「うふふ、可愛いわね。」

?「ーーーも一緒に」

ーーーーーーーーーーー

………

脳内に過る記憶、私に向けた優しい笑顔

椿「あの人とは、、もう」



「つ、椿先輩!?」

後ろから私の名を口にする人がひとり

椿「だれ、、、ってセツさん」

鈴音の妹、1年生の

朝陽あさひセツさん

椿「こんな時間になにをしていたの」

セツ「夜のランニングっす!」

セツさんは、運動をすることが好きらしくよく敷地内をランニングしていると鈴音から聞いていたけど

まさか、こんな時間までもしてるなんて

椿「そ、そう。」

セツ「椿先輩もどうすっか?夜風が気持ちいいっすよ!」

椿「ありがとう?でも私はいいかな、、ランニングは良いことだけどあんまり夜更かしせずに寝るのよ?」

セツ「そ、そうっすね。わかりました!」

おやすみなさいと手を振り

セツさんは寮へと運ぶ足を途中で止め

椿「どうしたの?」

私の方へと足を再び

セツ「いや、その、、椿先輩がこんな時間に起きてるの珍しいなと思って、、どうかしたんですか?」

椿「外の空気を吸いたくなっただけよ。心配してくれてありがとう。」

セツ「それならいいですけど。」

あ、、、

椿「ねぇ、セツさん」

セツ「ん?」

椿「セツさんにとって姉妹ってなにかしら?ごめんなさい急に」

セツ「姉妹っすか?」

数秒考えるように黙るセツさん

セツ「姉さんは僕の大切な先輩です。姉さんと会えてなければ僕は、椿先輩とお話するなんて無理でしたよ。」

大切な先輩

そう、、よね。それが普通、、

椿「姉さんとずっと一緒に居たいとは思わない?」

え?何を言っているの

セツ「え?そりゃあ居れるなら居たいとは」

ちがう、、その居たいは先輩後輩としての居たい

そうだよ、、、おかしいのは私で

セツ「そういや!僕、新しい友達ができたんっすよ!」

椿「よかったわね。」

セツ「はい!その子僕と違ってすっっごく可愛くてまるで小型犬のような子で」

椿「セツさんに友達が出来てよかったわ。」

セツ「な、なんすかそれ!!まるで友達できないみたいな」

椿「ごめんなさい。」

セツ「実際のところその子しかいないんで否定できないんですけど。」

セツ「今度会ったときその子紹介するっす!」

椿「ありがとう、楽しみにしてるわ。

あ、もう一つ聞いていいかしら?」

セツ「いいっすよ!」

椿「今日、1年生は集会があったと鈴音から聞いたのだけどなにかあったのかしら?」

セツ「あー、転入生が来たぐらいで大した事はないですね。」

転入生?この時期に?

只でさえ高校ってあまり転入生がくるイメージは

それにこの学園は女子校で共学と比べたらしづらいはず。

セツ「あと、2年生にもが来たらしいですよ!」

2年生にも?!

セツ「噂によると美少女なんて言われてますね。」

椿「そう、、あとは無いかな」

セツ「じゃあ、おやすみなさいっす!」

椿「えぇ、おやすみなさい。」

ーーーーーーーーーーーーーーー

静かで真っ暗な外を歩く

椿「これ以上は怒られるよね」

見回り担当の教師に見つかる前に

寮室に戻り、寝る支度をする。

向かいに見える、整えられたベッド





 




椿「おやすみなさい」

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