姉妹の誓いをもういちど
モカ@猫
第1話〘麗しき花たちよ〙
生徒会長「えーと、皆の者!元気だったか?元気そうで私は嬉しいぞ!」
身体には似合わないサイズの制服を着て
壇上に上がり全校生徒の前で話してるのは
この学園の生徒会長である。
「か、会長!!時間が」
生徒会長「えー?我が学園の可愛い生徒たちと話してたーーい!!」
「はぁ、これだから会長は」
このように、自由な人で
傍から見たら[頼り甲斐がない自分勝手な生徒会長]でしかなく、正直生徒会メンバーが発表された時は私も不安でいっぱいだった。これから先この学園はどうなってしまうのかと、しかしこの人は良い意味で裏切ってきた。学園内で起きた問題を広い視野で向き合い円満で解決させてきた。生徒からの人気は高く、皆から信頼されている。
もし、1年生のときこの人が生徒会長だったら
あの日の事件はあんな終わり方を向かえずに済んだのだろうか。
ただ、、不満点が無いわけではなく
生徒会長「もうちょっとだけ?ね?副会長さーん」
「式は遊びではないんですよ?会長」
生徒会長「いいじゃん。少しぐらいさ?」
関係のない話が長い事が
唯一の不満点
はぁ、早く式終わってくれないかな。
さっさと部屋に戻って休みたい。
普通、話が長いといったら校長じゃないの?
なんで校長より生徒会長の方が長いの?
やっとまともな話が始まったと思うと
ものの数分で終わってしまった。
ーーーーーーーーーーー
「椿さま!お疲れ様です!」
椿「お疲れ様。自室でゆっくり休むと良いわ。」
私は、この学園の3年生
至って普通の学園生活を過ごしているつもりよ。
「おぉ、これはこれは椿さまじゃないか!今日も美しいですねぇ」
椿「変な冗談はおやめになったほうがいいわよ。鈴音さま」
三つ編み茶髪でやたらと厄介な人は
3年生の
1年生の頃から私を揶揄ったりと面倒な人。
そして、あの事件を近くで見てた人。
鈴音「えぇ?いいじゃん!私たち友達でしょ?」
椿「そうね。」
鈴音「椿さまは冷たいなぁ。」
廊下でオロオロと挙動不審になってる子がひとり
椿「鈴音の妹が困ってるみたいよ。行ってきたら?」
鈴音「あー、ありがと。行ってくる!あとでね」
椿「ええ。」
妹と言っても本当の妹ではなく関係上の妹
この学園には[姉妹]と呼ばれる関係が存在する。
上級生が姉、下級生が妹となり
学園内のサポートをお互いにするための関係
そう、サポートするためだけに存在するもの
それ以外は何でもない関係。ならば
姉妹である必要はあるのだろうか。
私は、もう2度と姉妹関係になるものか。
さて
面倒事は去って行ったし。
部屋に戻りますか。
生徒たちは全員、学園が用意した寮で生活することになっている。また、寮は個人部屋と姉妹のために用意された二人部屋に分かれている。
ガチャ
左右に置かれたベッドと机。
左側は静かで右側には私の私物等が置かれている部屋
それが私が暮らす空間である。
左側の机上に置かれた1枚の写真
私が1年生の頃に撮った写真。
私の横に居るのは、、
ガチャ
「おっ邪魔しまーす!!」
椿「鈴音?!なんの用」
鈴音「だって暇だもーん。だから来ちゃった!てへ」
椿「セツさんと話したら?」
鈴音「1年生は学年集会やってるから居ないんだよ。」
椿「集会?こんな時期に?」
鈴音「さぁ、なんでだろ。」
鈴音が机上にある写真に目線を向ける。
鈴音「まだ、その写真持ってるんだ。」
椿「……」
鈴音「いつまでその写真を持ってる気なの?」
椿「…」
私は、なにも答えられなかった。
この写真は、私にとって大切であり苦痛で
鈴音「ねぇ、椿」
椿「なによ」
鈴音「自分の妹探したら?」
椿「え?何言ってるの鈴音。私は」
私が言いかける言葉に被せるように
鈴音「わかってるよ。椿がどれだけ姉妹関係に苦しい思いをしたのか。でも、乗り越えないと椿はなにも変われない。椿はそれでいいの?」
椿「なにがよ」
鈴音「その人に縋り続けること」
椿「…」
鈴音「椿が一番わかってるんじゃないの?その人は」
そう、私が一番わかってる。
この人はーーーーだったことを。
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