悪役令嬢に転生したので、推しに瓜二つのとあるキャラを救おうと思います!

中太賢歩

プロローグ

「はぁ…何回読んでも辛すぎる……」

私はジャンヌ・ダルクが大好きな女子高生、花崎美帆。

今、何周目か分からないけど推しが主人公の漫画を読み終えたところだ。

「ジャンヌ〜…」

ぐでん、と机に顔を伏せる。

そう、ジャンヌを取り扱った本とは…色んな偉人や戦いを漫画形式で紹介する歴史漫画シリーズだ。

ジャンヌをメインに取り扱う本は少ないのだ。

「美帆〜?買い物お願い〜」

「はぁーい」

お母さんに呼ばれ、スーパーに向かう。

その時、今にも交通量の多い交差点に突っ込もうとしている小さな女の子を見つけた。

「危ないッ!!」

グイッ、と歩道に女の子を引き寄せる。が、私は勢い余って道路に飛び出してしまった。

トラックのクラクションが聞こえる中、私は女の子のことを考えた。

(女の子が助かったなら、いいや…)

そして、大きな衝撃と痛みが、身体を襲った。

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