42. That's doneです(2)回想シーンは短く濃くなど

 はい。雑談です。



◆過去編/回想シーンを上手に使いたい


「そう、あれはわたくし真野まのうおが中学生の頃――」


 始まりましたね、回想。さて、いつまで続くんだろうかと身構えてしまいます。


 基本的に、ストーリーは主人公にとっての「今」が主体です。

 過去編や回想シーンは、あくまで現在の物語を引き立てるスパイスの役割だと考えます。キャラの成長や変化に関わる情報だけを短く、濃密に示すのがスマートなやり方です。


 可能ならば、過去と現在を対比させる構造を意識するとよいでしょう。


【例】

過去:吐き捨てるように「お笑いなんて、ほんまクソしょうもない」

 → 挫折したお笑いを「しょうもない」と否定的に捉えている


現在:屈託のない笑顔で「お笑いなんて、しょうもないもんやで」

 → 「しょうもない」もので人を笑わせられる誇りを感じられるようになった



 それと、定番の「悲しき過去」の扱いにも注意が必要です。


 単純に、悲惨なキャラの悲惨な過去を聞かされるのは二重につらい。

 いっそのこと「現在を幸福に暮らしているキャラ」の悲しき過去こそ、描く価値があるのではないでしょうか。悲劇を乗り越えた今の幸せがより輝きますから。



 回想は短いほうが望ましいとは言いましたが、場合によっては長めに語るのも有効です。とくに作品テーマに深く関わる要素。


 実際、私がカクヨムでフォロー中の作品にも、過去編にまるまる一章分を割いたケースがありました。素晴らしかった。まさに上述した「悲しいことがあったけど、今はこんなに幸せです」パターンです。



 ひるがえって、私自身は回想をどう扱っているか。時系列が飛び飛びになるのを好まないので、基本的にはイベントの起こった順番に物語を進行させています。


 ただ、プロットが練りきれていないと、つい回想を挟んだ構成になってしまいがちです。


 AI(Gemini教官)に「陳腐な展開」と言わしめた『雅致ガチ百合学園トンデモニウム』第2話にも、主人公の回想が出てきます。

 わざわざAIに相談するぐらいですから、私自身も問題を感じていて、長らく修正の機会を窺っている鬼門エピソードです。


 しかし、何度練り直してもしっくりこないのですよね……。結局、初公開時のまま1年が過ぎてしまいました。完結までには「リベンジ」したいです。




◆気になる和製英語


 和製英語のお話。日本だけで意味の伝わる、英語由来のカタカナ言葉って多いですよね。


 例えば、「リベンジ」の本来の意味は「再挑戦」ではなく「復讐」。英語で比喩的に「再挑戦」として用いる場合でも、自己完結ではなく、明確な挑戦相手がいる必要があります。


 「ビッグマウス」も、英語では「大口を叩く」ではなく「おしゃべり」「口が軽い」という意味合いです。塞ぎきれない大きな口→秘密を漏らしてしまう、といったイメージなのかもしれません。


 一方「コンセント」や「マンション」などは、すっかり日常の言葉として根づいてしまっていますから、今さら英語ではどうこうを指摘するのも野暮な気がします。


 結論としては、受け取る側にどれだけ伝わるかが重要なのだと思います。本来の意味をわかったうえで、普段は慣用的な意味で用いるのが気が楽です。


 というわけで、もう一度この創作論を週間1位に返り咲かせてみせましょう!

(↑リベンジ&ビッグマウス)




◆送り仮名はフレキシブルに


 「よ」「っが!」「っよ!」いいと思います! 今回は以上!

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