宝石に花咲く
桜田実里
Ⅰ
明るく人工的な光が散乱する宵闇の世界がガラスの外で繰り広げられている。
その無数の中の一つである静まり返った店内。
「もう、君とはやっていけない。ごめん、
向かい合いながらも視線を外しながら告げられた言葉。
だけどそれは、私の胸に多少の傷をつけた。
目の前には、一口も口をつけていないコーヒーカップが二つ。
彼はテーブルに千円札を一枚置いて立ち上がった。
「ごめん、俺と別れて。今までありがと」
最後に合った瞳は、とても冷たかった。
そのまま急いだ様子で店を出て行く。
申し訳程度の音量のBGMだけが耳に流れている。
正真正銘今私は、5年付き合った彼氏と別れた。うすうす結婚のことを考えていたこの時に。
原因は、多分あっちの浮気。じゃなくて、私に飽きたから、かな。
昔から歴代の彼氏にはつまらない女だって言われてきた。
まあ2人しかいないけど。あ、今ので3人に更新か。
―――
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