第50話 『050 ギルドマスター』
『050 ギルドマスター』
森にてユウタは牧場をのんびりと拡大していた。
その頃、森に近い町ではユウタの想像できない程にパニックになる。
原因はユウタだった。
森にある牧場にてユウタに会った冒険者数名が町に帰り、ギルドマスターに報告したから。
慌てて話すからギルドマスターも変だと思い聞くと、
「ギルドマスター報告します。森での調査をして今、帰りました。危険な話ですが、森に牧場を発見しました」
「どうした、なぜそんなに慌てているのだ。牧場を? 誰か住んでるみたいな言い方だが?」
町のギルドマスターは報告を受けるも、なぜ冒険者が慌てているか理解していない。
「住んでいました。それもあり得ない話ですが、牧場には男性の人族が一名、それとオーガ族のオガーナ、エルフ族のエルと数名のエルフがいました」
「なんだと! オガーナ! 災害級のオガーナが! それに災害級のエルも!」
「はい、そう名前を呼ばれていましたから間違いないです。しかも山猫もいて、神族の山猫かも知れません。毛並みが真っ白でした」
「神族の山猫!」
ギルドマスターは、調査した冒険者が言うのは信じられない顔で返事をした。
なぜなら町ではオガーナ、エルフ族のエルら、冒険者は会いたくない存在だったから。
恐怖の種族として高ランクの冒険者にも避けられる存在であって、同じ場所にいるなんて考えにくい。
冒険者の間では出会ったれ最後と思われている名前であった。
よって冒険者ギルドとしては、その名前に遭遇したら、ただちに逃げろと冒険者には伝えていた。
それだけオガーナ、エルは危険な存在と認知している。
それが町に近い森にいるとなると、ただごとではない。
冒険者だけの問題ではなくて、町に住む人全てに関わることになる。
いっせいに森から遠い町に移動も検討する必要が出てくるし、場合によっては王都と国が存続できるかの問題で、ギルドマスターは対処に悩む。
対応を間違えれば職を失うだけでなく、町が滅ぶからだ。
「マスター逃げましょう!」
「町の人々の避難を早急に!」
「待て、避難はまだ早い。君たちは無事に帰ったのだ。ただちに町を滅ぼす意思はないのかもしれない」
「確かに俺たちは攻撃はされなくて、牧場の領主のユウタという人は優しかったです」
「ユウタ? 聞いたことのない名前だ。攻撃しないなら最初にユウタに会い、交流をしよう。こちらからユウタに贈り物をするのだ。森には塩はないだろうし、塩と胡椒を送る。君たちには牧場のユウタに届けて欲しいのだ」
「俺たちが!」
「なぜ俺達なんです! 嫌です!」
即答で断る。
「頼む、町の人の将来がかかっているのだ君たちに」
「だ、だが、オガーナにエルですよ、マスター!」
「それはわかっている。戦いをするのでなくて、町と牧場とで、親しくなりたいと伝えてくれ」
「わ、わかりましたマスター」
冒険者はギルドマスターに説得されて再び牧場へ行く返事をするも、断りたかったが、町の人々のことを考えて、誰かが危険をするしかないと判断し受け入れた。
荷物は塩と胡椒を持って。
ユウタは前回は攻撃はしなかったけども、また行ったら同じ扱いになる確証はない。
今度は攻撃される可能性もあるわけで、行くと決断したが、町に帰れるかどうかという思いだった。
冒険者は再びユウタの牧場に到着したが、生きた心地はなかった。
そんな時にユウタは町で騒動になっているのは知らずに牧場を開拓している最中だった。
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