ぶんぶく茶釜とポンコツメイド

猫3☆works リスッポ

第1話はっくつ冥途

ああ、お日様が暖かいなあ

雨をよけて部屋に潜り込んだ俺はさっきまでの冷たい風が嘘のように

空腹の俺様でもついうとうとと眠り掛けていた

あふう・ねむ・い・いあ

いや、なんだこれあったかいというか毛皮の向こうから結構毛だらけの熱さが

ピキ!パキ・・・腹の下から赤く色づいた炭がはじける音があぁぁぁ「あちいい!なにすんねん!」

俺が気持ちよく寝ている間にあいつに、またしても火に掛けられてしまった


けつが、またしてもけつの毛が焦げたじゃねえか!。

「おい俺は生身だって!」

俺の文句を無視して冷たい声が響き渡る

「茶釜なら役目を果たすべきです」

「おれはただのバケダヌキだ死んじまうだろうが」

「その外見は茶釜です、材質は金属と判定します」

「なにおおお、このポンコツがっ!」

て、変身したままだった、これ俺が悪いのか

いやいや狸なんて人間がいなけりゃ食って寝て雌探す毎日で十分だ

だいたいこいつはなんだってんだ・あ・・思い出した


あれは

俺が雌を誘うための新しい巣穴を掘っているといきなり落ちたんだな


したたかにどたまをぶつけたみたいでええ


眩暈がおさまって気がつくと、とりまキョロキョロして警戒する。


こおゃあ、でっけえアナじゃねえか、当たりか?当たりなんか?。


俺の作るののよりでかい、これだけあれば雌がたくさん住めるぜ


いやいや、エサが大変だし子育てがあああ


「使い慣れないアタまをと頭が痛え」俺はコロコロ地べたを転がった。


石か、この地べた、めたくそ冷たくて硬いぞ、草でも運ぶか。


いやいや地べたも他のところもおんなじように固い。


しばらくマーキングしながらクンクンん嗅ぎ回ってるとと何かがあった

俺より大きい、何だろう、親から聞いた伝説の人間みたいなのかなあ、動かないぞ死んでんのか?

なら食えるんかな、変な臭いはしない、つうかなんだこれ、かじってみるか


「・・・ちっ硬くて食えない」


おお?そこにちょうど俺の鼻の大きさの黒い石が

鼻で押せと言わんばかりに良い具合に俺の鼻の大きさだ

臭いを嗅いでみる

ぶち

あ押しちゃった、あややや

なんか光ってる、新しい俺の巣穴がやたら明るいし。

ててて、慌てないじ、俺たちは妖怪だからそれなりに知恵があるってかちゃんがいってたし

「ブウウウう」


「再起動シーケンススタート、充電完了、90%。バッテリー劣化あり、回路一部破損、交換部材在庫無し、補充が必要」

【サーバーリンク不能、データ更新不能】

「自己診断、右手首欠損、左中指機能不全、現在の行動目的消失、未完了の指示事項確認できず、至急担当者の指示を受ける必要あり」


「周辺状況確認、近接の未確認生物を確認、この危害確率は極少」


こいつ目を開いて起き上がってきやがった、こらこっち来んな、俺をみんな!


「いてて、尻尾摘むんじゃねえよ」

起きたばっかなのにこいつ早い、しっぽをつかまれた、袋じゃ無くてまだましだが


「尋問モードに切り替える」

「今西暦は何年だ教えなさいエイリアン、人間はどこにいる」

「いやおいらは狸で、せいれきてなに?」

「お前は水星狸か?」

「へ?」


そんなことがあたあなあ、だったなああ大変だったなあ。

まあそうやってこいつが動き出したんで

こいつ、俺のことを狸汁とか水星狸とか酷い言われようだね

俺は人語を放す狸さ、まあ頭が良いわけじゃないから言ってることよく分からんけど

すいせいたぬきってなんだ?

「おい、たぬぽん、照合メイド識別番号rz986621zv67、座標確認、残存記憶域と照合・・此処がどこか確認した、【八窓庵】木造なのに何故残っているのだ」

「しらねーよ、そんなこと狸に聞くんじゃねえよ、それにいつ、おれがたぬぽん、になったのよ」


「名前か?私のことはrz…」


「まてい覚えらんないよ」


「では冥途でも良いぞ」


「いやあ、めいちゃんで許してや」


「うむ、ただの我々の認証の問題なので私はかまわんが、かまわんが、獣ごときに、化け物風情に」


こいつ表情が変わらないのに声が震えてるよ、なんか怖い。

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