おっぱい揉む？と聞かれたので揉んでみたらよくわからない関係になりました。

第9話 親友の直感

告白から数日が経ち、二人の間に漂う微妙な空気は、クラスメイトの目にも少しずつ映り始めていた。

「おい、太郎」

昼休み、いつものように太郎の机に寄ってきた親友の氷室健太が、いつもと違う口調で話しかけてきた。

「どうした？」太郎は少し緊張気味に返事をする。

健太はニヤリと笑うと、太郎の耳元で囁いた。「お前、花子となんかあったな？」

「えっ!?」思わず声が裏返る太郎。慌てて周りを見回すが、幸い誰も気づいていないようだった。

「な、何言ってんだよ」太郎は必死に取り繕う。「俺と花子は、いつも通りだぞ」

「いつも通り？」健太が意味ありげに笑う。「お前らが『いつも通り』なら、俺はイケメンだ」

「お前、元からイケメンだろ...」太郎は呆れたように言う。

「そう？」健太が得意げに髪をかき上げる。「まあ、それはそうと」

健太の表情が真剣になる。

「お前、最近神崎を見る回数が減ったよな？」

太郎は息を呑む。「お前、どうして...」

「だって、今までお前が神崎のことをチラチラ見てたの、誰でも知ってたぜ？」健太が肩をすくめる。「それが最近、見てる回数減ったよな。その代わりに花子と妙に仲良くなってる。何があったんだ？」

太郎は言葉につまる。健太の鋭い観察眼に、冷や汗が流れる。

「別に...何も...」

「嘘つくの下手だな、お前」健太がくすくすと笑う。「まあいいや。詳しくは聞かないけど」

健太が太郎の肩を叩く。

「お前が元気なら、それでいいんだ」

「健太...」太郎は複雑な表情を浮かべる。

その時、教室の入り口から花子が戻ってきた。

「あ、太郎！」花子が明るく声をかける。「お弁当、一緒に食べる？」

太郎が答える前に、健太が口を挟む。

「おー、いいねー。俺も混ぜてよ」

「えっ」花子が少し困ったような顔をする。「でも...」

「なに？」健太がニヤリと笑う。「二人きりがいいの？」

「ち、違うよ！」花子が慌てて否定する。

太郎は黙って二人のやり取りを見ている。どこか居心地の悪さを感じながらも、花子の反応に少し心が躍るのを感じていた。

「まあまあ」健太が両手を広げる。「冗談だよ。二人で仲良く食べてな」

そう言って、健太は太郎の耳元で小声で言った。「後でちゃんと話聞かせろよ」

太郎は苦笑いしながら頷く。

健太が去った後、花子が恥ずかしそうに太郎に近づいてきた。

「ごめんね...なんか、変な空気になっちゃって」

「いいよ」太郎も照れくさそうに答える。「健太のやつ、からかうの好きだからさ」

二人は少し気まずそうに笑い合う。その姿を教室の隅から見ていた美咲は、何か複雑な表情を浮かべていた。

「じゃあ...食べよっか」花子が明るく言う。

「ああ」太郎も笑顔で答える。

二人が並んで座り、お弁当を開ける。ぎこちなさは残っているものの、どこか心地よい空気が漂っている。

その様子を見ながら、健太は思う。（ついに春が到来か？）

春の陽光が教室を明るく照らす中、太郎と花子の関係は、少しずつ、でも確実に変化し始めていた。

放課後、太郎と健太は一緒に下校していた。

「で、結局どうなんだよ？」健太が急に話を切り出す。

「え？何が？」太郎は とぼけてみせる。

「いいから、花子との関係だよ」健太がニヤニヤしながら言う。「最近妙に仲がいいじゃないか」

太郎は俯きながら否定する。「別に、普通だって...」

「普通？」健太が眉をひそめる。「お前、昨日の放課後、花子と二人きりで屋上にいたよな？」

「えっ!?」太郎は驚いて声を上げる。「お前、見てたのかよ...」

「降りてくるところ見かけたんだよ」健太が得意げに言う。「で、何があったんだ？」

太郎は言葉に詰まる。屋上でのことを思い出し、顔が熱くなるのを感じる。

「別に...なんでもない」

「はいはい」健太は呆れたように首を振る。「まあ、お前が言いたくないなら無理には聞かないよ」

二人は少しの間、無言で歩く。

「でもさ」健太が真剣な顔で言う。「お前、最近元気になったよな」

「え？」

「この前まで、なんかモヤモヤしてる感じだったのに今は、なんていうか...晴れやかっていうか」

太郎は黙ってうなずく。確かに、美咲のことで落ち込んでいた自分が、花子のおかげで少しずつ前を向けるようになってきたのは事実だった。

「花子のおかげかな」健太がニヤリと笑う。

「うるせーよ」太郎は照れ隠しに健太の肩を軽く押す。

「いいじゃん」健太が笑う。「お前が幸せなら、親友として俺も嬉しいよ」

太郎は複雑な表情を浮かべる。美咲への気持ちはまだ完全には消えていない。でも、花子との関係が少しずつ変わっていくのを感じている。

「俺は...まだよくわからないんだ」太郎が小さな声で言う。

健太は優しく微笑む。「焦るなって。きっと、そのうちわかるさ」

太郎はほっとしたように笑顔を見せる。

「ありがとう、健太」

「いいって」健太は太郎の背中を叩き自分の家の方へ歩き出す。

「じゃあな！」

春の風が太郎の頬をそっと撫でる。これからどうなっていくのか、まだわからない。でも、きっと何かが変わっていく。そんな予感が、太郎の心を静かに満たしていた。