おっぱい揉む？と聞かれたので揉んでみたらよくわからない関係になりました。

プロローグ

「彼女が欲しい！」

鳴海太郎は、満開の桜の木の下で、思わず心の叫びを口にしてしまった。

「おいおい、また始まったよ」

隣にいた親友の氷室健太が、呆れたように言う。

「黙れよ！」太郎は頬を赤らめながら健太を睨みつけた。「お前には関係ねぇだろ」

「いや、毎日聞かされてるんだから関係あるって」健太はニヤリと笑う。「それに、お前の叫び声で桜の花びらが散っちまったぞ」

確かに、太郎の叫びと同時に、ふわりと舞い落ちる花びらが二人の周りを舞った。まるで、太郎の恋愛成就を冷やかしているかのように。

高校2年生の春。

高校生活の3分の1を過ぎ去ったことになる。そして太郎にとっては、彼女なし生活も3分の1を経過したことになる。

（なんてしみったれた高校生活だろう）

太郎は内心で毒づいた。

春の陽気が頬をくすぐる中、太郎と健太は重い足取りで学校への坂道を登っていく。新学期の始まりを告げる校門が、二人の前に姿を現した。

「まったく、春は出会いと別れの季節っていうけどさ...」太郎はぼやく。

「ああ、でもお前の場合は『出会い』だけでいいんじゃね？」健太が茶化す。「だって、別れる相手がいないんだから」

「うるせぇよ！」

そんな会話をしながら校門をくぐると、すでに大勢の生徒たちが構内に集まっていた。進級生たちはみんな期待と不安に満ちた表情で、掲示板の前に群がっている。

太郎と健太も、その波に乗って掲示板に近づいた。

「お、太郎！俺たち同じクラスだぜ！」 健太が嬉しそうに叫ぶ。 「マジか。よかった...」

太郎はほっとしたように言いながら、自分のクラスの名簿に目を走らせる。

そして、その瞬間。

「神崎...」

太郎の目に飛び込んできた名前に、心臓が小さく跳ねた。

神崎美咲。

クラス一の人気者で、太郎が密かに想いを寄せる女の子。太郎は思わず口元にほんの少し笑みがこぼれた。

（これは...もしかして...）

太郎の心の中で、小さな期待が芽生えた。

「おい、太郎」健太が太郎の肩を叩く。「なんか嬉しそうだな。いい名前でも見つけたか？」

その時だった。

「あ、太郎！健太！同じクラスじゃん！」

明るい声が二人の耳に飛び込んできた。

振り向くと、そこには満面の笑みを浮かべた少女が立っていた。

「よう、花子」

太郎は普段通りに返事をした。

結城花子。去年から同じクラスで、太郎とは何となく仲の良い友達同士。明るくて社交的な性格で、クラスの人気者の一人だ。

「今年もよろしく！」花子が屈託のない笑顔で言う。「ねえねえ、誰と同じクラスになった？」

「ああ、まあ...」太郎は少し言葉を濁す。「神崎も同じクラスみたいだな」

「え？神崎？あー、美咲ね！」花子が明るく言う。「へー、太郎良かったじゃん」

花子が軽くウインクする。太郎は少し困ったように頭をかく。

「まあ...ね」

「あはは、顔見りゃわかるよ」花子が楽しそうに笑う。「頑張れよ！応援してるから」

そう言って花子は駆けていった。その後ろ姿を見送りながら、太郎は複雑な思いに駆られた。

（神崎と同じクラス...。これは、チャンスかもしれない）

健太が太郎の背中を軽く叩く。「おい、まだボーッとしてんのか？神崎のこと考えてるだろ」

「う、うるせぇよ！」太郎は照れ隠しに健太を軽く押しのけた。

こうして、太郎の高校2年生の春が、幕を開けた。 彼の人生が大きく変わるとは、この時はまだ知る由もなかった。

そして、その変化が思いもよらない形で訪れるとは、誰も予想していなかった。