盛夏

夜鷹掌

Drove.(featured by 『待つ』)

ひとつ息を吸って、ベンチをたつ

髪をほぐしてたら

ぎこちない声を背中に受ける 世界が止まって

広場の衛兵が交代する

汗の沁みる喉が走っては返ってくる、かさぶたが

石畳の道に頬を強くよぎるし、たいまつが最大瞬間風速する

その子は獅子のように夜をさまよう


ソーダで何杯目かのチアする

互いの残渣が知っていた

夜の銀河がズシンと落ちる、借家のタイルが欠けた玄関では

豪華な姿見が取り払われ、海峡の影を振り切った爪の色に静まっていく

終電の提灯が残っているうちに、

もう視界に宿る赤外線をボイルする、よれた服の縞々が離れないで

星座の毛布を抱きしめるが、冷えた灰皿に原始的な車輪が

糸を吐き出してく 黙りな、ビスケット!


でこぼこで穴の空いたすのこ引っ張って

景色にちゃぶ台のある道場も、小手調べからフェイディング

瑠璃落ちる、、短い独白のマイクがハスキーボイスを

内側から剥がして腹筋もねじってしまう

ムロアジの大群だ。スマホでパシャリ!

つばぜり合いで下していく、夜のしじまは分厚くて

菓子の山にダンスする、鞄をロープで縛ったのに

テントは閉じたファスナーで、その子の羽衣に混じる

丘の先から、ネックレスの手渡されたカーテンの後ろで手をかざすと

畦道を向ってくる葬儀の列が、火照ったまつげを溶かす



入ったきり出られない扉を

鉄扉と勘違できて、階段は狭くシェアする


記憶の屋上はもっと広かった


砲弾は地下で、里のりんごを重力する





レイズ


僕は泥を一掴みして、泣きはらす海を確かめる

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