王子様みたい 13話

ピクニックに最適な原っぱを見つけると、そこには

ホームレスの幼女が、座り込んで、痩せこけ、腹を空かせていた。年齢は推測して六、七歳。


服装と見た目を見る限りおそらく移民の子だと思われる。


その子にラタ王子が寄り添う。

 

ラタ王子「…お腹を空かせているのかい?可哀想に…」

と、ピクニックで食べるはずだった。サンドイッチが入っている、バスケットのかごを開けた。


ラタ王子「じゃあ…僕が完食する所を見て、視覚で食を楽しんで、元気出して」


ミラー「は?」


ラタ王子「ほら、満たされる気分になるだろ?」モグモク


ミラー「ならねぇよ、殺すぞてめぇ」



 

長女「どうだった?王子様とのピクニックは」

ミラーとバレイはその後、その移民の子供と共に城に帰り、お茶会の部屋にいた。

 

ミラー「途中で帰った」

 

長女「えぇ…」

 

ミラー「あんなの、王子様なんて言えない、王子様はもっとかっこいいんだ」

 

そして、ホームレスの幼女は保護して、ミラーが食べるはずであった昼食と間食のおかしを食べさせていた。


長女「てか、その子だれ?」


ミラー「私の客人よ」


幼女はがっついてその料理を涙を流しながら食べる。


ミラー「どうして、あんな所にいたの?親御さんは?」


幼女「私…逃げ出してきたの…こめんなさい…」

その幼女は奴隷だった日々を思い出し、食べる手をやめら体を震わせた。


ミラー「大丈夫、私が守ってあげるから、ここにはあなたの敵はいないよ」


幼女「うん…」涙を拭いながら、ケーキを一口食べる。

 

ミラー「美味しい?」

澄んだ目で穏やかに問いかける。

 

幼女「美味しい!」

 

よかった…。

と、ミラーは優しく微笑んだ。


幼女「…お姉ちゃん、王子様みたい」


ミラー「え、な、なんで?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る