傷なし姫と葬式 2話

ルーヤ姫の訃報を聞いたマルマ国の姫ミラー•スロープは、ルーヤ姫の葬式に出る。


ミラー姫は真っ白な肌に傷ひとつない華奢な体をしており、使用人により手入れを施されている麗しく艶のある金色の長髪をしているが、本人はショートにしたいと思っている。


墓の前で皆スーツを来て手を合わせる。

ミラー姫とルーヤ姫は遠い親戚の血縁関係であるがあまり親しい訳ではなく住んでいた場所も遠い事もあり、会った事もないため、そこまで悲観する事もなかった。


姫はどちらかと言うと、自身の城の外に出たかったのでその口実として、葬儀に出る事を自ら志願した。

もちろん、死者を弔いたい気持ちもある。


手を合わせ天国で幸せになってほしい。と願う。

祈りは意味のある行為だと母に教えられているのだ。


ミラー姫はその集まりの一番後ろにいた。

婦人a「なんでも顔に酷い傷を負ったらしくてね、可哀想に」


婦人b「傷があるせいで王子との婚約も破棄されたんでしょ?」

と前にいる婦人二人が何やらそう話していた。


マルマ国からの葬式の参列はミラー姫と姫の護衛の女剣士一人。


ミラー姫は葬式が終わると、その護衛の目を盗んでこっそり近くの森の奥に探検しにいった。

女剣士バレイはその事に瞬時に気づく。辺りを見渡すがまだ誰も姫が抜け出した事に気づいていないようだ。


バレイ(あのバカ姫め…ちょっと目を離した隙に…忍者かあいつは…)

と姫の魔力を感じ取るとバレイはその方角に音一つ立てずにダッシュする。


強靭な脚力でその場から一秒で離れた。

バレイ(怒られるのは私なんだぞ…もう)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る