2024年8月10日。第三回怖い話朗読会発表作 「キンキンに冷えた麦茶が飲みたい」文字起こし
まいみや るいか
第1話 「怖い」を求めて
皆さんお疲れ様です。
第3回怖い話朗読会に招待していただきありがとうございます。
お盆休みの夜、いかがお過ごしでしょうか。
それにしても暑いですね。みなさん、水分補給は大丈夫でしょうか?
話を始める前にお飲み物の準備をしておいたほうが良いかもしれません。
こう言うと、たまに“泡の出る麦茶”を用意される方がいらっしゃるんですが、あれはいけません。水分補給にならないですからね。
わたしも今夜はキンッキンに冷えた麦茶を用意してきました。真夏のお供にはやはり麦茶。日本の心ですよ。
お茶を一口いただいたところで、皆様に謝罪したいことがございます。
今日は参加者がそれぞれオリジナル台本を作って朗読する神台本制作組という括りで集められたわけで、わたしも約7000文字近い力作を作品を書いたのですが、今日になって急に自信が無くなりました。
去年同様、自分の中の「好き」を詰め込んだ話を書いていたのですが、あまりにもホラーからかけ離れてしまいまいした。
これでは「怪談・ホラー話」というより「怪しいホラ話」でしかないのではないか。恐怖よりも共感性羞恥で皆様を震え上がらせてしまうのではないかと考えました。
そこで前回と同じ轍を踏まないためにも今年は創作を諦めて、インターネットに転がっている怖い話をそのまま読もうと思います。ご容赦ください。
一からの創作ではなく、すでにある作品を読むとなると当然「どの作品を選ぶか」という選定力に比重が置かれることになります。
明治時代に活躍した翻訳者の黒岩涙香も「翻訳するに相応しい作品は100作に1作もない」と断言するほど、数多ある物語の中から優れた作品を見つけるという作業は並大抵のことではありません。
それまで読んできた量が“選定眼”を養っていくのです。
あいにく、わたしはこれまで本というものを殆ど読んだことがありません。
数少ない読書体験も殆どがミステリー小説と呼ばれる類のものであり、ホラー小説や怪談に触れたことなど人生で1度もないかもしれません。
当然、膨大な作品群から一つに絞るなどといった芸当はわたしには出来そうにもありません。
ではどうするか。
わたしには一つ、画期的なアイディアがありました。
難しく考える必要はありません。
ただ「怖い」と検索をかけて出てくる一番有名な作品を読めば良い。
早速グーグルで検索をかけて、これは怖そうだという作品を見つけました。
これが今さっきのことです。そうです。わたしはまだその作品を読んだことがありません。
事前に読んで練習するなどといった行為が怠惰なわたしに出来るわけもなかったのです。
内容は知りませんがきっと怖い話でしょう。
タイトルに「怖い」と入っているのだから怖いに決まってます。
今年はきっと皆様を恐怖の淵に叩き落せるに決まっています。
決して……決して去年の二の舞にはならないと信じています。
というわけで、お話ししたいと思います。
「まんじゅう怖い」という話なんですが――
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