第65話 鉢合わせ

「行くか。雪降ってる……けど、寒くないな。」


「ホントだ!寒くない!ヤリ過ぎて体おかしくなったかな?」


手を繋ぎながら歩く。恋人繋ぎだ。


「ねー、」


「何だ?」


「キスしよ。」


「さっきから何回もしてるだろ?」


「外ではしてないでしょ、初めてでしょ。」


はぁ、めんどくさい。キスも作業みたいなモノだ。


「はい。これでいいか?」


「ダメ。もっと。さっきみたいに。」


「さっきみたいにって、家と外だとやりにくさが違うんだよ?家に帰ってからでいいか?」


「ダメ。今。」


「頑固だな。はぁ~。いくぞ。」


舌を思いっきり入れディープキス。さっきずっとこれをしていたから喉がカラカラだったんだよ。


「っぱ。どうだ?」


「ん~。及第点。」


「及第点ね~。そりゃどうも。」


夜のコンビニは人気がない。そして人気もない代わりに弁当もないか安いかのどちらか。今回はなんとラッキー後者。安い弁当を2つ買い、ついでにこれもとハナが甘いもの2つを買ってコンビニを出た。


「あ~、ついに寒くなってきたわ。」


「もう帰る?その前に行きたいとこある。」


「帰るも何もコンビニのために出てきたんだぞ?こんな夜にどこいくんだよ?」


「公園。」



「見て見て~。すごい高いでしょ?」


ブランコをこぐハナ。無邪気だ。こう見ると普通なんだが。


「何?ブランコしたくてきたわけ?」


「違うよ?ちょっと童心に返ってみただけ。ホントは。」


キスをしてくるハナ。


「しよ。ここで。」


「外で?寒いんだけど。」


「悪行でもあるよ?外でのセックスは犯罪だから。ポイント上がるかもよ?」


「悪行を出してくるなよ。」


「ニンゲン、手を捕まれたまんまだね。」


「久々喋ったな。モモ。」


「モモ?」


「死神。そこにいる。見えないだろうけど。」


「へ~。死神さんこんにちは!今からセックスします!」


「マジですんの?寒いって………」


と、言いきる前に


「カオル?」


聞き馴染みのある声が。

その暗闇にはサキが、いた。


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