第36話 幼なじみ

「一応連絡は入れた。ここにこいって。」


そこは中庭。人気はない。


「来ないなら帰るぞ。めんどくさいし。」


「ニンゲン。残念だったね?来たみたいだよ?」


「あ?」


後ろを振り向くとそこにはサキが。

久々な感じがする。久々だけどな。


「な、何かな?大事な話って………」


何故か頬が赤い。


「あ~、何て言うの、言おうか迷ったんだけどよー。」


「う、うん。」


「俺、彼女出来た。」


「へ。」


彼女から生気が消えた。


「か、彼女?カオルに?彼女?」


「あ~、うん。相手はアカツキ」


「アカツキって………あの………アカツキ メグミさん?」


「アイツメグミって名前なんか。知らんかったわ。とりあえずそいつと付き合ったってだけ。それを言いたかっただけ。」


「な、何で………私に………言うの?」


「え、言えば面白………幼なじみだから?」


「……………」


黙るサキ。


「ってことで。それだけだから。じゃあな。」


「待って!」


手を思いっきり引っ張るサキ。


「何?」


「幼なじみだから………私に言ったの?」


「あぁ。」


「それだけの理由で?」


「あぁ。だからもう帰っていいか?」


「最低!!」


パチンっと頬を叩かれるカオル。痛くはないがちょっと驚いた。


「な、何?」


「私の………気持ちも知らないで………」


「あぁ?お前の気持ち?」


「そうだよ!私は!私は!カオルのことが好きなんだよ!」


「はぁ?」


サキが俺を?


「冗談ならもう少し笑えるヤツをな。」


「冗談じゃない!ホント!ホントにホント!私は!カオルが大好きなの!昔から!」


泣きながらそう伝えるサキ。


「死神。」


「まさに修羅場だね?にしし!」


「お前、知っててコレを………」


「言ったでしょ?私は神だって。」


だからお前は死神だろうが。

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