第35話 頭おかしい

「てかニンゲン。」


「何だ?悪行ポイントか?今は258……」


「いや、ポイントじゃなくて、ニンゲン。あの女のニンゲンは何処?」


「女?アカツキのことだろ?」


「違うよ。ニンゲンのこと心配してたニンゲン。」


「あ~、サキか。サキがどうした?」


「数日会ってないじゃん。あんなにベタベタ来てたのに。」


「来るなって言ったからじゃねーの?知らね。」


あ、と閃いたように悪い笑みを浮かべる死神。


「ニンゲン。そのサキ?ってニンゲンに付き合ったこと言いに行こう?」


「何で?関係ないだろ?」


「関係アリだよ。幼なじみでしょ?でずっとニンゲンにちょっかい出してくる、これはそのニンゲンはニンゲンのこと好いてるってことだよ!」


「思い違いだろ。カーストが違いすぎる。」


「いやいや、死神を信じてみなよ?」


「死神だしな。」


「でも、神だよ?」


「でも、死だよ?」


「………ともかく言えば面白いことになるって!行こうよ!」


「面白いこと?」


「今のニンゲンなら非道な言葉が出てくるでしょ?だから。絶対面白いしポイント貯まる!」


「ポイントのこと言われたらなぁ………仕方ねぇ。行くか。放課後でいいだろ?」


「人気のないとこがいいね!」


「あ~、分かった分かった。非道なことをするかはその時次第、そしてアイツの、サキの返答次第だ。」


「楽しみ!ついでにキスでもしちゃえば?」


「何で?」


「絶対にニンゲンのこと好きだもん!キスしたら喜ぶんじゃない?」


「偏った知識で語んなよ?」


「大丈夫大丈夫。信じなさい。私を。」


「あぁ、信じてやるよ。信じた先にあるのが地獄なら喜んで飛び込んでやるよ。火の海でも針の山でも笑って進んでやるよ。痛みとかそんなモノは捨てたんだからな。」


「流石、ニンゲン。頭おかしいね?」


「死神に言われたら最後だな。俺も。」

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