京物語

一都 時文

寝起き出勤

 京はいつものように出勤するとロッカーの前に立ち溜め息をついて袴を着付け直した。

「きょーちゃん、おはよう。」白衣を着た男が京の後ろに現れる。

「おはようございます。浩二さん、」

「下の名前で呼ばれたのは初めてだな」

「田中さんが増えたので」京はロッカーを見つめたまま髪をハーフアップにして、もう一度溜め息をついた。

「きょーちゃん、今日の仕事は一層大変かも、凄く申し訳無いけどgpp1の手伝いに行ってきてくれないかい?」

「分かりました。でも、e01yの僕が行くんですか?gpp1の方が人手も多いんじゃ」

「gpp1はお取り込み中でね、」

「なる程…一応言っておきますけど、僕、英語のテスト32点ですよ、」

「大丈夫さ…多分」自身のない浩二は京の背を押しながらロッカー室を後にした。

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