呪いのせいで全ステ1しか無いですが、恩人のせめてもの助けになれるよう頑張ろうと思います〜貧民街で育てられた俺は殺し屋に助けられて成り上がる

@keybord11003

第1話 貧民街にて

本当にくだらないことが世の中にはあるものだ。

いや、この世の中に満ち溢れてるものすべてがくだらないのかもしれない。


生まれた時点で人生の「勝利」が決まっている人間。

生まれた時点で人生の「敗北」が決まっている人間。


「親ガチャ」とは誰が言ったものか、俺にはひどく腑に落ちた。

勝ち組の人生を送りたかったものだ。


だが、、、そんなくだらない日常も今日で終わりにしよう。

そして本当に死んだ後、異世界が実在するのなら、、、



ーーーー


目が覚めるとそこには見知らぬ人物がいた。


そしてここはやけに薄暗く、やけに血生臭い匂いがする。


視界が悪い。


見知らぬ人物は俺を抱き抱えると、ひどく喜んだ。

俺は状況を飲み込めずにいた。


そして視界が良くなっていく、辺りには蠅のたかった死体が山のように積み上げられていた。


まさに地獄のような場所だった、、、

いや、元いた世界よりはマシだろう。


「生まれたばかりの赤子だが、こいつは珍しい、なんてったってだからな」


「赤眼、、、高く売れそうだ。しかし、雑な扱いをしすぎじゃないか?」

「こいつを創り出すためなら何百人が死んだって軽いもんですよ」

「あまり命を粗末にするな、、、次はないからな」


この男たちの会話を聞くにどうやら俺は赤子で、望まれて生まれてきたらしい。しかし、何百人が死ぬって一体、、、?


「今日からお前にはここで俺たちと生活してもらう」

「、、、?」


男たちのうち下っぱらしき1人が俺をここに連れてきた。


そこは家と呼ぶにはあまりにも汚く、壁には人の死体がよりかかり、中もただ布団が敷いてあるだけの簡素な作りだった。


ただ、それだけだ。


ーーーー


あの日から4年の月日が経ち、俺は4歳になった。

初めて街へ繰り出した。


あらかた気付いてはいたが、街全体がどんよりしていて、あまりにも変な雰囲気なのだ。そして何より治安が悪い。いわゆる貧民街だ。


そこら辺を歩いていればすぐに銃声の音は聴こえてくるし、女性の叫び声だってする、死体や生首もそこら中に転がっているし、何より街全体に血生臭い匂いが漂っている。


「おっとおっと、の坊やがこんなところにお一人様でーす」

『先輩、これ高く売れますよ』


俺は街へ出れば、いつでもだった。

そして、、、


「おっとおっと、俺の子供には手を出させねえぜ」


いつもの血生臭い香りが漂う。

いつも決まってあの男が助けに来てくれる。

俺はここ最近、あいつに助けられてばかりだ。


そしていつもあの汚い家に連れ戻される。


「何度言えば分かる、街はお前にとって危ないところだ。もう二度と脚を運ぶなと言っただろ」

「父さん、、、俺強くなりたいよ」

「それと俺は父さんじゃな、、、なんだ、言ってみろ?」


俺は男に近づいて、この赤眼で男の眼を射た。


「強くなりたい」

「それは、、、なんでだ?」

「だっていっつも父さんに助けてもらってばかりで、、、ぐふぉっ」


俺の視界は暗転した。幼児の脇腹にこいつストレートかましやがった。

衝撃で俺は家の外に吹き飛ばされる。


「くだらないことを考えるな!そもそもお前が!街に出なければいい話だろうが!」


俺は殴られた箇所を押さえながら立ち上がった。


「くだらない?人が人らしく生きることがそんなにくだらないのかよ!」


その一言で男は俺にナイフ、いやナイフというよりは出刃包丁のようなものを俺に渡してきた。


「だったら、してみろ。俺が鍛える強さにあたるか」

「望むところっ、、、」


現在、俺の脇腹はもう死んでいる。

男が言うには、男の体に傷1つつけるだけでいいらしい。


俺はやったことは無かったが、包丁を腰元に低く構え、男の方に突進した。男はその突進を軽々と避けると俺の背後に回り、一発殴る。


「体重が乗ってないし、動きも直線的過ぎる、背後に回れたら終わりだ」

「うっ」


それを読み、俺は左手を包丁から離し爪を奴の頬に向けた。


「予備動作がバレバレだ。ほれ、もう一発」

「うっ」


また拳を繰り出され、脊髄を殴られた。


すかさず俺は家の中の壁を伝い、男目がけて包丁を投げる。

同時に、隠し持っていた砂をやつの目元にまく。

そして、爪で引っ掻きにいく。


「甘い、俺はこの程度では傷1つ付かない」


砂は避け、包丁は手で弾き、俺は正面から拳を入れられた。


俺の完敗だった。


しかし、男は倒れた俺を起き上がらせると、こんなことを言い始めた。


「最初の突進は全然体重が乗ってない、それと、包丁を投げるのは悪手だ」


それからなんやかんや男は俺に戦い方を教えてくれるようになった。









































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